マサイ村生活編
生まれる命があれば、終わる命もある。 マサイ村で1月に生まれた子牛が死んでしまった。 子牛が大きくて難産だったので、ロマを筆頭にママたちみんなが出産を手伝った子牛だった。 無事に生まれて育っていたのに、ある日放牧から帰ってくるとその子牛が見当…
マサイ村に来て4ヶ月が過ぎた。 最初は1日の時間配分が定まらず、やたら早く起きてみたり、一方で遅くに起きてみたり生活のリズムをつけるのに時間がかかった。 今は大体7時に起きて、ママとチャイを飲み、ブログを書いたりクラウドファンディングの進捗状況…
マサイ村には虫がたくさんいる。 世界最大と言われるタンザニア大ヤスデや、糞転がし、トンボにバッタに色々いる。 私はそんなに虫を怖いと思わないが、夜に起きて床にタンザニア大ヤスデを見つけた時はびっくりした。 ムカデと勘違いして、刺されたら大変!…
ママオルクチ(犬)は1月末に7匹子犬を産んだが、5匹がそれぞれ違う村に貰われて行って今は2匹だけ子犬がいる。 あんなにガリガリだったのに、子犬の数が減ってからみるみるうちにふっくらして浮いていたアバラも見えなくなった。 やはり7匹にお乳をあげるのは…
ママが言った。 「私がこれくらい小さい時にね、私のママがこの穴を空けたのよ。」 最近の若い世代はあまりしなくなったが、ママの世代は耳に穴を空けるのが普通だった。 ピアスとか、そんな小さい穴じゃなくて向こうが見通せるくらいの穴が耳に空いている。…
朝6時に起きて街へ向かう。 バブ(おじいちゃん)とビビ(おばあちゃん)の貯水タンクを買うためだ。 お店に行くとまだ開いていなかったので、レストランでコーヒーを飲んで開店を待つ。 雨がしとしと降る中、お店の店主が教会から帰って来たと連絡があったので…
ロマはマサイ語とスワヒリ語と英語を話すが、聞くだけならイタリア語も理解している。 それはザンジバル島に出稼ぎに行くと、たくさんのイタリア人観光客に出会うからだ。 ザンジバル島は小さな島だが、この島のどこで働くかによって必要な言語が異なる。 ロ…
水曜日は村でマーケットが開かれるので、大勢の人で賑わう。 ローズ(妹①)と私は買い物を済ませて家に帰ったが、ロマは昼からバーを開けて働き始めた。 夜9時、突如バイクに乗ったスタッフのムペンバがうちに現れた。 「ロマが呼んでる。」 またよからぬ事だ…
今日は土曜日、街の入り口で大きなマーケットが開かれている。 ロマが「お肉が食べたい!」と言うので、マーケットで焼かれたお肉を買って街のレストランに持ち込んだ。 買ったお肉もレストランに持ち込み可能なので、レストランで切ってもらってウガリとチ…
朝からロマは大忙し、今日はモラン(マサイの戦士)セレブレーションがあるからだ。 「何のお祝いなの?」 「伝統のお祝いだよ。」 わかったような分からんような。 モランが集まってヤギでも捌いて食べるんだろうと思っていたら様子が違う。 長老たちが集って…
久しぶりに家に帰ってきたローズ(妹①)と一緒にソコニ(マーケット)に出かけた。 家族8人分の食料を1週間分買うのは大変で、日本みたいにカートとか便利なものがないから全部手で持たなければいけない。 日本で住んでいた時は自分1人だったし、いつでも買いに…
土曜日は街で大きなマーケットが開かれる。 服や野菜だけではなく、ニワトリ、ヤギ、羊、牛などの動物も取り扱うこのマーケット。 各地からたくさん集まってくるので、とても賑やかだ。 うちのマチコサンとキミサンもこのマーケットで購入した。 購入した時…
マサイ村に来てからというもの、予定は未定!の概念をようやく肌で分かるようになってきた。 オンタイムで生活することに何の疑問もない日本生まれ日本育ちの私は、先々の予定が立たないことに不安と苛立ちを感じることがしばしばあった。 結婚式ですら5日前…
うちのバーにはスタッフが2人いる。 1人はスワヒリの男の子ムペンバ、まだ10代後半だ。 もう1人は20代前半の女の子でイマニという。 主にカウンターでお客さんの相手をするのがイマニだが、出会って2ヶ月、私は彼女が笑ったところを見た事がない。 「イマニ…
ローズ(妹①)が1ヶ月ぶりに家に帰ってきた。 帰ってきた、と言っても私とロマが隣町に滞在中にバイクタクシーを手配して家に帰したのだ。 なので正確には、彼女が家に戻った時を私たちは知らない。 1ヶ月のうちにナナミ(妹⑥)は大きくなり、庭の木は壊滅的…
3月15日に公開した【マサイ村に清潔な水を提供するプロジェクト】クラウドファンディングがついに目標額の96%に到達した。 これも皆さんの応援のおかげです、ありがとうございます。 すごい速さでここまで来れて嬉しいけど、インターネットがポンコツすぎて…
結婚するまでは、姑と嫁は複雑な関係だと思っていた。 初めてこの村に来た2年前、私は少し緊張していた。 ロマは6人兄妹(当時)たった1人の男の子で長子だし、どんなママなんだろう?きっとすごい大事に育てたんだろうな。 村に着いてバジャージを降りるなり…
果物 タンザニアに来てから、よく果物を食べるようになった。 日本にいる時もカットフルーツなどを食べていたが、気軽に食べられる物ではなかった。何しろ値段が高すぎる。 お彼岸のお供えで買うならわかるが、普段食べたいなと思った時に気軽に買える値段で…
隣町に滞在して3日目。 ロマの体調が悪い。 朝からトイレに行っては戻し、下し、食事は取れず水分を摂っても出てしまう。 ベッドに戻る気力もなく、床のカーペットに寝そべっている。 同じ食事をしている私はピンピンしているので、食中毒ではなさそう。 「…
マサイ村には電気が通ってないが、近隣の村や街には電気がある。 スマホやチャージャー、懐中電灯など充電が必要なときは送電されている村に行きお金を払って充電する。 一応マサイ村でも各ご家庭にソーラーパネルが設置されているが、大体はスマホを充電し…
雨季が始まって喜んでいたある日。 ゴロゴロと遠くで雷鳴が鳴り響き、黒く低い位置にある雲が西から近づいてくるのが見えた。 その雲の下には、遠くからでもはっきりと分かるように線が引かれている。 雲がすごいスピードでこちらに向かってくると同時に、暴…
バーの閉店を決めた私とロマは、テナントオーナーのカサカと何を残して何を引き取るか、幾らで店を売却するかの話をつけて家に帰った。 家に帰る前にバブ(おじいちゃん)が店に来て、ロマと何か話している。 ロマが 「350,000シリング持ってる?」 と聞くので…
私とロマは去年の3月から、近隣の村でバーを経営してきた。 今日、そのバーをテナントのオーナーに売却することにした。 トラブルが多すぎる。 酔っ払い同士の喧嘩、殴り合いくらいならまだわかる。 マサイはナイフの所持を許されているので、みんな腰に帯刀…
まずはここでお礼を言わせてください。 皆さまからの温かいご支援、本当にありがとうございます。 クラウドファンディング公開初日、12名もの方が応援してくださってプロジェクト進捗は16%になりました。 朝、何も反響が無かったらどうしようと不安に包まれ…
雨季が始まった。 急いで貯水タンクを設置せねば。 貯金残高に目を瞑り、第三のタンクを購入。 ババ(お義父さん)の家用に買った5000Lのタンク自体はうちやママの家のタンクと同じだが、付属品の数が違う。 ババの家は大きいので、その分の板や雨樋、接続のコ…
マサイ村に来て3ヶ月が経った。 本来なら観光VISAは切れて、ここには居られないはずだが婚姻VISAのおかげで2年間はタンザニアに居られる。 タンザニアに3ヶ月以上居るのは初めてで、と言ってもほとんどはマサイ村に居るのであまり変化はない。 毎朝ママと一…
3月7日に雨が降って以降、どんよりとした雲が垂れ込めた空模様。 急ピッチで貯水タンクの工事を進める。 ママの家の工事が完成した翌日、私の家のタンクの修正工事も8割方終了したその日の15時。 バケツをひっくり返したような雨と、台風かと思うような風が…
ロマが日本でいる時に買ったバリカン。 日本では髭を少し整える程度に使っていたので、そんなに使用頻度は高くなかった。 そのバリカンがマサイ村で大活躍。 マサイ村で髪が長いのはロマと私だけだ。 他はみんな丸刈りスタイル、マサイの戦士だけが長い髪を…
マグダレナ(妹⑤)が学校でテストがあったらしく、ママが用紙を2枚見せてくれた。 22/50と書かれている用紙に半分くらいチェックが入っている。 私の感覚では正解は◯で不正解ならチェックマークのイメージだったが、ここでは正解ならチェックマークが入るらし…
3月7日午前6時、雨が屋根を叩く音で目が覚めた。 待ち焦がれた雨だ! 2月1日からずーっと毎日空を見ては、雨降らないかなあと待ち焦がれていた雨がようやく降り始めた。大雨季の到来だ。 雨はすぐに止んでしまったけれど、重たい雲が空に広がって涼しい。 た…