井戸を掘るぞ!と意気込んで数日。
情報収集はなかなか進まない、なぜならうちの村周辺は井戸がないので井戸を掘ったことがある人がいないのだ。
近所の一番栄えている村ですら水の供給源はダム、もちろん綺麗な水ではないがないよりマシだ。濁っていてもシャワーはできる。
もちろんダムまでタンクかバケツを持って水を汲みに行くのだが、汲みに行ける水が近くにあるだけ良い。
このダムですら作る時に揉めたらしく、村の偉い人がスワヒリ(マサイ以外のタンザニア人をスワヒリと呼ぶ)だったため、スワヒリにとって便利な場所に作られた!とマサイは怒っているのだった。
多民族で形成されている国家にしては情勢が安定している方だと思うが、それでも軋轢がないわけではない。
井戸に関しては隣町まで行って聞くしかない。
業者が何社あってどこに会社があるのかすらわからない現段階では動きようがない。
そして私のスワヒリ語レベルではそんなこと聞けないので、ロマが必須となってくる。
しかしロマはロマでやることがあるので、ちっとも進まないのがもどかしい。
2月1日以降今日まで雨が降らないことを嘆いていたが、逆に乾季の今こそできることをすればいいのでは…?
思い立ったが吉日、貯金をおろして貯水タンクを買った。
5000Lのタンクが1,200,000シリング(77000円)、そこに雨樋やパイプ、接続部を足して1,700,000シリング。約10万円だ。
それ以外に工事費、タンクを設置する基礎のブロックとセメント代金合わせて日本円で15万円くらい。
それなら自力でなんとかなるか、とできることから始めてみた。
自分の家にタンクを設置した時のお店に行って、5000Lのタンクと付属品を購入。
軽トラに括り付けて家まで運んでもらった。
タンクを買うことをママをはじめ、家族の誰にも言っていなかったので、タンクを運んで行ったおっちゃんから電話がかかってきた。
「あのー頼んでない、うちじゃないって言われたんだけど。」
家族は「うちにはもうタンクがある、うちじゃない。」と主張しているらしい。
私の家にはタンクがあるので、ドライバーのおっちゃんも
「確かに、タンクもうあるやないか。」
と電話してきてくれたのだ。
理由を説明して、母屋の後ろにタンクを置いてきてもらった。
遅れて家に帰ると、ママがすごく喜んでくれた。
「タタありがとう、これで今度雨が降ったらもうお水買わなくて済むわ。遠くに何度も水汲みに行くこともない。本当にありがとう。」
ジェニファーとマグダレナ(妹④⑤)も「タターありがとう!」
とみんな喜んでくれた。
今すぐには水は手に入らないけれど、雨季の時に活躍してくれることを願って。
最終目標はうちの村の全戸にこのタンクを設置して、乾季の時でも少しは貯水に頼れるような環境を作る。
残るお父さん、おじいちゃん、おばあちゃんの家にタンクを設置して、みんなが水汲みに割く時間を短縮したい。
もちろん綺麗な水を飲めるようにしたいのが一番だけれど。
自腹を切るか、やったことないけどクラウドファンディングしてみるか考え中。
残り三つのタンクを次の雨季までになんとかできるか挑戦!
タンク2個目!残り3個。(ドラゴンボールみたいだ…)