メイタタのしもべ日記

タンザニアのマサイ村に嫁いだ日本人の日常

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パサカ

ローズ(妹①)を病院に連れて行って、そのまま隣町にもう一泊した翌日。

マーケットで買い物して帰ろうと思ったら、思わぬことになった。

 


「アナ(妹②)とモニカ(妹③)も一緒に家に帰るよ。パサカで学校が1週間休みになるから。」

1月に家を離れたっきりのアナと、2月に家を離れたモニカが学校の休みでマサイ村に帰ってくる。

アナは小さい頃から母方のおばあちゃんの家で育てられたので、こういう長期休みの時にしか家に帰って来れない。

私たちの結婚式でさえ、1日だけ家に戻ってきてすぐにおばあちゃんの家に帰らなければならなかった。

 


長期休みが終わって、ロマがアナを連れて帰る時いつもアナは静かに泣いていた。

ロマに「どうして私だけみんなと一緒に暮らせないの?」と泣きながら言ったこともある。

家庭の事情だが、自分だけ他の家で育つのは色々寂しかったのだろう。

そのせいか、彼女はロマに一度も物をねだった事はない。

お金もしかり、ロマが「何か欲しい物はないか?」と聞いてもいつも「大丈夫。」という。

健気!!スィンダニ(義姉)が何でも買ってあげる!と言ってもはにかんで首を振るアナの横で、モニカは「これ欲しい!」と15歳らしく好きな物を持ってくる。

アナも18歳で、欲しい物色々あるやろうに。持ってきたら良いのに!

 


ホテルで荷物をまとめて待っていると、バジャージ(オート三輪)に乗ってローズ、アナ、モニカがやって来た。

そこに私も無理矢理乗って、街のマーケットまで走る。

ロマはバイクで後ろから追走してきて、マーケットの前で集合した。

私とローズはスーパーマーケットで砂糖や油など保存が効く物、アナとモニカはマーケットで野菜などの生鮮食品を買うように二手に分かれて買い物を済ませた。

バジャージに載せられるだけ載せて帰ろうと思ったので、バケツ2つとタライ1つを追加で買って奥の荷物置きに放り込んだ。

 


いざ、マサイ村へ向かって妹3人はバジャージで私とロマはバイクで走ったのだが、昨日の大雨のせいで赤土のオフロードは至る所に池や川が出来ていて、いつもの1.5倍は時間がかかった。

途中、水溜りどころか池みたいになっているところを私はバイクを降りて迂回したり、大きなトラックが横転して道を塞いでいるのをロマが復旧を手伝ったりして家に帰ったらもう夕暮れ時だった。

 


ついに家族全員集合で、我が家は10人家族になった。

「パサカは日曜日だから、みんなで教会に行こうね。」

ジェニファー(妹④)が言う。

うんうん、と頷いて私は家に戻ってロマに聞いた。

「ていうか、パサカって何?」

イースターの事だよ。キリストの復活祭。」

パサカってイースターの事だったの!

知らずにずっと話を聞いていた私はここでようやく合点がいった。

イースターで学校休みになるのか、それだけクリスチャンが多いってことなんやな。

何はともあれ久しぶりに家族みんなが揃ったこの1週間を楽しもうと思うのだった。