メイタタのしもべ日記

タンザニアのマサイ村に嫁いだ日本人の日常

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出産

マサイ村に新しい命が誕生した。

久しぶりに晴れ渡った5月の澄んだ日に、ロマの2番目のママが赤ちゃんを産んだ。

出産までに合計3回、お腹が痛くなって病院に行って診察を受けていたママ。

無事に産まれて来てくれて良かった。

 

「産まれたよ」と家族が知らせてくれたので村の診療所までロマと一緒に行った。

ババ(お義父さん)とビビ(おばあちゃん)、叔父さんが診療所の前で待っていた。

ビビがこっちだよと案内してくれて入った部屋には、長いベンチが置かれていてスワヒリのおばあちゃん達が4人、診察待ちで座っている。

「シカモーニ」

と挨拶すると、みんな大喜びで

「マラハバ」

と返してくれる。

「あら、この子スワヒリ語が話せるのねー!」

たった一言挨拶するだけで言葉の壁が溶ける。

タンザニアに来た時に比べればゆっくりだけれどスワヒリ語が分かるようになってきた。

もっと話したいので、引き続きポレポレ(ゆっくり)学んでいこう。

 

その部屋には入って右手にベンチがあり、奥にベッドが1つと左手にもベッドが置いてあった。

マママヌ(叔父さんの妻)も同じ部屋にいた。

お水や食べ物を買って来たり、ママの身の回りのお世話をしてくれている。

ママは左側のベッドに横になっていた。

「ママ、出産お疲れ様!お腹痛い?」

「タタ!来てくれてありがとう。もう痛く無いよ。赤ちゃん見て。

ママの左側に小さな小さな赤ちゃんがおくるみに包まれて目を閉じてスヤスヤ眠っている。

 

ここの診療所にはエコーが無いので、産まれるまで性別は分からない。

眠っている赤ちゃんの顔をのぞいてみたけれど、どちらか分からない。

「男の子?女の子?」

「女の子よ。」

「おめでとうママ!初めての女の子だね!」

ママには2人の男の子がいる、フィリとケニーに妹ができたのだ。

初めての妹、きっとお兄ちゃん2人は可愛がってくれるだろう。

ケニーは最近までママのお腹が大きいのはご飯をいっぱい食べたからだと思っていた。

可愛すぎる。

 

外に出ると叔父さんとババが待っていた。

どうやら今日、医師の診察を受けたら家に帰るらしい。

出産して数時間で家に帰る、なかなか大変だ。

ビビと私は診療所の縁石に腰掛けて、診察を待っていた。

医師は1人しかいないので、ずっとあっちこっち回って診察して忙しそうだ。

 

夕日が沈む頃、どっかに行っていたロマが帰って来た。

「赤ちゃんスヤスヤ寝てたよ。ママも元気。もう性別聞いた?」

「良かった。性別まだ聞いてないよ。」

「知りたい?」

「うん、どっちだったの?」

「ロマに新たな妹ができました!」

「女の子だったの!良かったね〜」

新たな異母姉妹の誕生を喜び、日が暮れていった。

 

私とロマはママの出産祝いを買いに近所の村に向かった。

石鹸と洗剤、お砂糖2kgを買って先に家に戻った。

その1時間後、ママと赤ちゃんはバイクに乗って帰って来た。

出産当日にバイクタンデムでオフロードはハードモード過ぎる。

やっぱり車買おうと心に誓ったのだった。

何はともあれ無事に産まれて来てくれてありがとう、マサイ村の未来がスクスク育ちますように。

アッシェエンガイ。