メイタタのしもべ日記

タンザニアのマサイ村に嫁いだ日本人の日常

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毛布

最近ずっと寒い。

雨季が終わって、毎日大体曇っていて妹達はいつも誰かが風邪をひいているし、ネイマ(1歳)やマヌ(2歳)も鼻水を垂らしている。

 


ビビ(おばあちゃん)がバブ(おじいちゃん)に話しかけている。

「最近寒くて眠れないから毛布が欲しいんだけど。」

バブは聞こえないふりをしている。

ビビがもう一度言うと

「寒いのはみんなそうでしょ、私も寒いよ。」

と返した。

「私の夫は1人しかいないのに、他に誰に言えばいいのよ?」

 


2人のやり取りを焚き火を囲みながらロマと聞き耳を立てていた朝9時。

結局バブがのらりくらりとビビの口撃をかわして去っていった。

確かにビビの持っている毛布では寒いだろう、バブも然り。

2人とも年齢は不詳だが、結構なお年頃だ。

たかが風邪、されど風邪。

体調を崩して病院に行くくらいなら、毛布があって温かくして眠れるに越したことはない。

ロマと隣町に繰り出した。

 


前回、ママに毛布を買った店に行くとムズングプライス(外国人価格)を言い渡されたので「前回同じ毛布45,000シリング(2500円)で買ったんだけど…」と言うとすんなり値段が下がった。

店にはお父さんとお母さん、娘が居て彼らはジグアの人々だった。

私たちが分からないだろうとジグア語で話していたが、ところがどっこいロマはジグア語が分かるのだ。

どうやら私のことを侮辱する内容だったらしく、ロマが私の手を引いてすぐに店を出た。

「あの店では二度と買わない。」

こうしてこの店は顧客を2人失う事となった。

目の前にいる人間が、自分の言語を理解している事もある。

 


以前、初めてエジプトに行った時にアブシンベル神殿ツアーで一緒になった金髪青い目の白人のお兄さん。

しばらく英語で喋っていて、フランス人だと言うことがわかった。

そして、「君はどっから来たの?」と聞かれて「日本だよ。」と答えた途端、流暢な日本語で話し始めて驚いた事がある。

フランスの大学を出て、日本の大学に入り直してそのまま日本企業に就職。

日本に住んで10年だという。

 


見た目で判断してはいけないし、まして人の悪口を言葉が分からないだろうと目の前で言ってはいけない

陰で言うから陰口なのだ。せめて店の裏で言ってくれ。

次のお店に行くと、店番のお姉さんはイマイチ販売価格が分かっていなかった。

「35,000シリング…?」

さっきの店と同じ毛布が10,000シリングも違う。

「確認した方がいいんじゃない?」

ロマに促されて、お姉さんが上司のおじさんに聞きに行くとどうやら仕入れ価格が35,000シリングで販売価格は40,000シリングらしい。

それでも5000シリング安い。

ビビとバブ用に2つ毛布を買って家に帰ると、ビビは違う村に行っていてその日は帰ってこなかった。

 


バブに毛布を渡すとそれはそれは喜んでくれて

「明日8時に祝福を授けるから、必ず起きて来てね。」

とルンルンで家に戻っていった。

その夜は石炭で火を起こさなくても、毛布で汗をかくくらい温かかったそうだ。

ビビも数日して帰って来て、毛布を渡すと

「ヨベ!ヨベ!!」

とびっくりした時の言葉を連呼し、それからハグをして頭を撫で回してくれた。

 


バブとビビの健康第一、予防医療大事!

40,000シリング(2000円)くらいで風邪引かないなら、そっちの方が絶対良い。

2人とも健康で長生きしますように。