いよいよ3月に植えたとうもろこしの収穫の時期がやってきた。
雨季にたっぷりの雨水を吸ったとうもろこしはぐんぐんと成長し、7月には大きく実ったとうもろこしを取って焼きとうもろこしにして食べたりした。
白いとうもろこしは、日本で食べる黄色いとうもろこしに比べて甘味が少なく硬めだが美味しい。
あんまり取って食べると、肝心のウガリを作る粉がなくなってしまうので食べ過ぎは良くない。
しかし、男の子達は大人の目を盗んで畑からとうもろこしを取ってきて焼いて食べている。
私も小さい頃におばあちゃんが軒先で吊っていた干しか芋を学校の行き帰りにむしって食べていたから気持ちはわかる。その後、きっちりロマに見つかって怒られていた。

とうもろこしが大きくなって、その葉や茎が枯れるまで少し時間をおく。
それまでの期間、家畜達にとうもろこしを食べられないように管理するのだが、ほとんどの畑は柵などない。
放牧中に逃げ出して、とうもろこしの味を占めた牛や山羊、羊、ロバが一日中とうもろこしを狙っている。
夜中に牛が鳴くので見にいくと、柵の中にいるはずの牛を見にいくと数匹いない。
出入り口の柵はトゲトゲの木を立てかけているのだが、その隙間から逃げ出したらしい。
向かう先はもちろんとうもろこし畑!
夜中の2時に懐中電灯片手に畑を見にいくと、風もないのにとうもろこしがサワサワ揺れている。揺れているとうもろこしの下の方を見ると、逃げ出した牛がむしゃむしゃととうもろこしを貪っている。
発見が遅れたバブ(おじいちゃん)の畑は全滅した。ポレー(お気の毒に)。
翌日、柵の強化が行われたのはいうまでもない。
そうやって家畜との戦いに勝ち抜いたとうもろこしがようやく収穫の日を迎えた。
とうもろこしの皮を剥いて、1−2日干す。
地面に干すと、また鶏や山羊に食べられてしまうので屋根の上に干す。
しかし、跳躍力のある雄鶏がいて、いつもは飛ばないのにとうもろこしが干してある屋根目掛けて飛んでいく。
上に載っているとうもろこしを蹴落とし、下で待っている鶏達が一斉にとうもろこしに飛びつく。賢い。
鶏との戦いも制したとうもろこしはようやく人間の手によって剥かれ、粒だけに精製する。
その後、また1日くらい干して下処理は終わる。

その先は隣村に持っていって、機械で精製する。
とうもろこしの粒の皮を剥いて、製粉するのは機械の仕事だが、停電するともちろん機械は動かないので「今日はあかんなぁ。」と翌日に回る。
そうして作られたウガリの粉を家に持ち帰り、お湯の中に適量の粉を入れて練ったものがウガリとして食卓で食べられることになる。
単純なようで奥が深いウガリ、作った人の技量がわかる。
私が作ったウガリはボソボソして美味しくない、ママが作ったウガリは滑らかでちょうどいい水分量。
収穫の喜びをみんなで分かち合い、ウガリの美味しさを楽しんだ。
しばらくはウガリの調達の心配がない、大地の恵みに感謝。
