メイタタのしもべ日記

タンザニアのマサイ村に嫁いだ日本人の日常

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ロマの緊急入院〜入院当日〜

ロマが緊急入院した、9月のことだ。

現在はすっかり元気になり、毎日走っているのでご心配なく。

ようやく落ち着いて当時のことを振り返る余裕が出たので、何が起こったか書いておこうと思った次第。

 

まだ残暑が厳しい9月の夜中、ロマが気分悪そうにベッドから起きてはトイレに行くのを繰り返していた。ベッド、トイレ…シャトルランのように繰り返し、朝にはぐったりしていた。

しかし私も仕事に行かねばならぬ、後ろ髪引かれながら出勤。

職場で師長さんに相談すると、半日勤務にしてくれた。

勤務を終えて家に帰ると、ベッドの上でグッタリ横たわるロマの姿。額には大粒の汗が光っている。熱はないが、手足がとても冷たい、こりゃいかん。

近所の胃腸クリニックに行くとすぐに診察してもらえた。

医師が「血圧とか脈拍は問題なさそうなんだけど、旦那さん、いつもこんな感じ?それが気になるんだけど。」

先生の質問に答えるのに数秒かかり、なんとなく動作が緩慢なことが私も気になっていた。

「いつもと違います、もっとハキハキ喋れるんですけど…」

「気になるし、金曜日だから大きな病院で頭部診てもらった方がいいかもしれないね。」

そのままタクシーをつかまえて、大きな病院の救急外来へ。

 

救急外来で受付を済まし、待っている時間は恐ろしく長く感じた。

採血、血液培養、点滴確保し、やはり腹部でなんらかの炎症が起こっているので造影CTへ。

待っている間、どんどん口数が少なくなりぐったりしているロマを見て、もっと早く連れてきてあげたらよかったなと反省。

ストレッチャーに横たわるロマは顔色が悪く、手はひんやりと冷たい。

「こちらでお待ちください。」

そう言われて、待合室のソファに座って1分も経たないうちにストレッチャーは出てきた。

「CTを取る前に急に痙攣が起きて、処置室で他の検査をします。奥さんはこちらでお待ちください。」

 

待合室でどれくらい待っただろうか、スタッフの人が呼びに来てくれた。

処置室の横にある待機スペースで、ストレッチャーに横たわるロマ。

目は開いているが話しかけても何の反応もない。視線も一点を見つめている。

去年、マラリアに罹って無動になった時と全く同じシチュエーションだ。

たまたま当直で脳神経内科の医師が居てくれて、髄膜炎の可能性もあるので検査しましょうと提案してくれた。

検査(ルンバール)をしに別の部屋に移動したロマを見送り、私はまた一人で病院の床を見ていた。

夜間の救急外来は忙しい。他の患者さんの呻き声や、医師・看護師の早足で歩く足音が響く。

時刻は23時を回っているが、救急外来が静かになることはなかった。

検査が終わって帰ってきたロマは相変わらず無言で天井を見つめている。

結果、髄膜炎は否定的だった。

 

「この状態では今日は帰れないから、入院になります。」

入院して診ていただける、ほっとした半分、ロマの意識状態が改善しないのが心配だった。

入院するときに傷病名が必要で「腸炎」の診断が付き、でも意識障害があるので脳卒中内科病棟に入院することになった。

こんな夜中にやってきた日本語を話せない外国人、しかも腸炎で自病棟の専門外が入ってきたにも関わらず病棟のスタッフはみんな優しく、私の心配までしてくれた。

そうこうしていると、ロマが目を瞬かせ私を見た。

「何…?どうなってるの?」

「わかる?病院だよ、入院するんだよ。」

「病院…来た時のことは覚えてるけど…他は覚えてない。入院するの?タタ大丈夫?」

「もう大丈夫だからね、心配しないで。」

「うん、大丈夫。」

「じゃあ私帰るけど、また明日の昼にくるからね、今日はゆっくり休んでね。」

そう言って、病院を後にした。

時刻は1時を回っていた。

暗い道を一人、家に向かってトボトボと歩く。タクシーも見つからない。

初めてLUUPに乗って家まで帰った。

知らなかったのだが、初めてLUUPに登録するときテストがある。単純なテストだが、全問正解しないと登録できない仕組みになっている。

14問のテストに落ちまくること30分、毎回同じ問題に引っ掛かるのだが設問がランダムで出てくるのでまた引っ掛かる。

疲れとイライラでちっとも全問正解にならず、途中ちょっと泣きそうになった。(この時点でタクシーで帰ればよかったのに)

何とか14問正解してLUUPに乗って家まで帰った。

初LUUPがいつだったか、きっと忘れないだろう。

何とも言えない不安を抱えて、家にたどり着いた私は気絶するように眠りに落ちた。