前回、夜勤から帰ってきてお布団に入ったのが朝6時。
11:00アラームの音と同時に目覚めた。
外はもうすっかり明るい。
5時間睡眠、とっても深い眠りでスッキリとした目覚めだった。
ロマもゴソゴソしている。
スマホを見ると社長さんから何度も連絡が入っていて肝が冷えた、夜勤明けに病棟から電話がかかってくる悪夢を思い出すには十分だった。
掛け直すと、作業開始時間が変更になり30分早くなったので11時45分に迎えに行きますとのこと。残り45分、ロマを起こしてご飯を食べ、身支度をして外に出る。
やはり昼の日差しは暖かい、車内から比叡山を見るとうっすら雪が積もっていた。
そりゃ寒いはずだ、今日も拭き下ろしの風は寒そうだ。
現場に着くと、昨日とほぼ同じメンバーが揃っていた。
「お、連チャンですね。」
そう言って建設会社のYさんが声をかけてくれる。Yさんは英語が話せるのでロマにも話しかけてくれて、何やら楽しそうにロマも頷いている。
昨晩からこの現場で指揮をとってみんなを率いている職人さんも、ロマに「何時間寝れた?」と日本語で聞いてくれている。
後で聞くと、職人さんは1時間しか寝てないそうだ。多分、私の両親くらいの年齢だと思われるのに、夜あんなに働いて1時間だけ寝てまた現場で働く驚愕の体力!
私もまだまだ働けるな〜と励みになった。
日中は駅前の立地も相待って、人がたくさん行き交っている。
狭くなっている通路を安全に通ってもらうため、声をかけて誘導する。
ロマは車の幅寄せで道路側の誘導についた。
今日は昨日の基礎部分に生コンを流し込む作業、基礎部分は細い鉄柱で組んで溶接されていてその隙間に生コンを入れていくらしい。
カバーしてあった鉄板の蓋を開けると、基礎部分が露わになった。
ミキサー車がやってきたのでカラーコーンを避けて誘導し、アスファルトの切れ目ギリギリまでミキサー車を寄せて生コンを流し込んでいく。
私だったら脱輪させる自信しかないが、さすがプロ、本当に数センチのギリギリまで寄せていい位置にセメントが流れるように設置している。
生コンを流し込みながら、ホースみたいな見た目の機械で生コンを慣らして平にする。
1台目が終わり、2台目、3台目が交代でやってきては生コンを詰めていく。
あと1台で終わりという時に、ロマが私に目配せしてきた。
「どしたん?」
「女の人、車に当たって倒れた。」
ロマが幅寄せしていた道路の先100mくらいのところで、大きな車と人だかりができている。
どうやら交通事故が起きたらしい。
事故が起きた場所のすぐ隣でも電気工事をしていて、そこの警備員の人たちが手伝っているようだった。
もちろん、そこで車線が塞がれてしまい誘導しなくても勝手に1車線になって、こっちは何もしなくて良くなるんだけれど、ミキサー車もそこから来れないわけで現場のスタッフみんなで「あらーどうしようねえ」と行先を見守った。
ロマ曰く、轢かれた女性は立っているようなので急を要する事態にはならなさそうだ。
警察と救急車がやってきて、しばらく現場で待機していたので軽傷だったのかなと思いながら様子を見ていた。
大きな車が路肩に駐車したので、車線が空いて最後のミキサー車が到着した。
最後の生コンを詰め始めた頃、救急車がサイレンと共に動き出して走り去っていった。
現場検証は続いていて、警察官数人が写真を撮ったり道路にチョークを引いたりしている。一人は交通整理で旗を振っているが、やはり年季が違う。
誘導というか、捌いていくような職人技。
現場はというと、最後の生コンを流し入れて綺麗に均している。
綺麗に均一に生コンを均すのはとても難しそうだ、職人さんたちが丁寧に作業を重ねていく。
ようやく綺麗に均し終わって、もう今日の作業は終わりかと思ったら「ちょっとここ綺麗にしといてくれへん?」と若手の職人さんに指示を出している。
基礎部分の端っこは木枠で囲まれていて、そこに付着した生コンを綺麗に落としていく。
「これをやるのとやらんのでは仕上がりが違うんやで。」
はっきり言って、基礎部分はこの後アスファルトの下になって外からその部分を見ることはもうない。でも、見えないところこそ、きっちり仕上げる職人の技術とプライド。
(かっこえーー〜ー!)心の声
こういう普段見ることのできない職人の仕事が間近でみられて、尚且つ歩行者と車両の安全を確保するこの仕事は私の心にストンと嵌った。
ロマはというと、タンザニアではみたことのない女性トラックドライバーがたくさん働いていることに感銘を受けていた。
3台目のミキサー車を運転してきたのは若い女性で、颯爽と大きなミキサー車を運転する姿がとてもかっこよかった。ずっと道路側で警備をしていると、大型トラックを運転している女性がこんなにたくさんいるんだなと思う。
「タンザニアも昔は男性しか運転してなかったけど、最近女性も運転する人が増えてきた。いつか日本みたいに大型トラックを運転するタンザニア女性も出てくるかなあ?」
そんな日が来るのも、そう遠くない未来の予感がする。
そんなことを考えているうちに今日の現場は終了、社長さんに家まで送ってもらって15時に帰宅。
盛りだくさんの2日間、ロマと私はたくさんのことを学んで充実した2日間となった。