メイタタのしもべ日記

タンザニアのマサイ村に嫁いだ日本人の日常

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週末婚

先月からロマとは別々に暮らしている。

月曜から土曜までロマは単身赴任で働いて、土曜の夜に帰ってくるいわゆる週末婚だ。

 

ことの始まりはゴールデンウィークにロマが参加したタンザニア人の集いで、今の会社の社長がロマに声をかけてくれたことがきっかけだ。

社長はタンザニア人で、20年以上日本に住んでいて車の輸出業に携わっている。

私としては、せっかく日本で一緒に暮らしているのにわざわざ離れて働きにいく必要があるのかな?と反対意見だったのだが、ロマは行きたいと言い切った。

「せっかく日本に居て、何の技術も知識も得ないままタンザニアに帰ることは考えられない。ここで車の知識や輸出業のノウハウを学ぶいい機会だから行かせて欲しい。」

私が思うよりずっと、ロマは未来のことを考えていた。

将来マサイ村で、タンザニアで暮らしていくための基礎づくりだと思ってロマのパッキングを手伝い送り出した。

いつもなら、タンザニアで私が送り出されて、ロマは見送る側だったのに逆の立場になってしまった。見送る方が寂しいものだ。

 

朝の6時ごろから夕方7時くらいまで、暑い中コンテナに中古車をバラして部品を積み込んでいく。

想像にたやすく重労働で、力持ちのロマでさえ持ち上げるのに苦労する部品の数々。

ドア、ボンネット、ガラス、エンジン、シート全部をバラバラにして隙間なくコンテナに詰めていく。

ロマの場合、何の知識もない初めましてのビギナーなので最初のうちはただひたすらバラされた部品をコンテナに積み込む係だった。

他のスタッフが工具を使ってバラシをしている間も休む暇なく重たいパーツを運び、それを週に6日連続でやる。

腰や肩は慢性的な筋肉痛になり、疲れて電話できない日もたくさんあった。

心配になって「そんなに頑張って働かなくても、私も働いてるからいいんだよ。」と言っても「今までタタが3年半、うちの家族を支えてくれたことを心の底からありがたく思ってるよ。心配しなくても大丈夫だから!何のために妻を残してここに働きにきてるかを思えばこれくらい頑張れるよ。」

そう言って、ますます頑張って働くロマ。

 

先日、帰ってきたロマは元気そうだったが痩せていた。1ヶ月で体重は5キロ減っている。

しかし、仕事の話を嬉しそうにしてくれるので充実しているんだなと思う。

日本に来た頃、何もすることがなく1日中私の帰りを待つだけの日々を思えば今の方がよっぽどいいらしい。

ようやくロマにも日本で、家族以外の居場所ができて社会との繋がりを感じられるようになったことは大きな変化だった。

 

「一緒に働いてるスタッフがびっくりしてたよ〜なんで社長がタンザニア人雇ったのかって。」

聞けば会社にはザンビア人とタンザニア人が一人ずつ、あとブラジル人と日本人スタッフがいるらしい。

他のスタッフ曰く、社長はタンザニア人だからこそタンザニア人はあまり雇いたくなかったんだとか。ファミリー感が強くなりすぎると、時にビジネスとしてはやりにくくなるからだ。

これもロマの人柄なんだろう、何事にも一生懸命に取り組む姿勢や周りの人と調和してどこでもやっていける性格。

 

昨日の夜、電話がかかってきた。

「今日初めて、自分一人で車バラしたんだよ〜エンジン以外はね!」

おお、思っているよりも早いスピードで技術を習得している!

私も頑張らねば、離れている今だから頑張れる何かがあるはず。

よろしく哀愁。