メイタタのしもべ日記

タンザニアに住むマサイの夫と遠距離中の看護師

保護猫めいことの馴れ初め

我が家には2009年生まれのロシアンブルー(♀)がいる。

 

出会いは2015年4月に遡る。

何度か通っていた保護猫カフェで、大人しくケージの中で座っている灰色のネコチャンがいた。ペットショップで生まれたが、斜頸が在ることとソケイヘルニア疑いで商品にならず紆余曲折を経てこの保護団体に引き取られたらしい。

このとき6歳、生まれてからの6年間は謎に包まれていた。

 

当時、友だちと妹がロシアンブルーのお世話をしていたので「この灰色ちゃんは、ロシアンブルーなんだな」、そしてロシアンブルーは飼い主に忠実で犬みたいな性格で、めったに鳴かない事からボイスレスキャットと呼ばれていることの2点が予備知識としてあった。

 

スタッフの方がケージからネコチャンを出して、抱っこさせてくれた。

柔らかい!ふにゃふにゃの体躯にツヤツヤの被毛。そしてその美しいグリーンの大きな瞳で彼女は私を見ていた。

運命、というのか、出会ったその日に契約書にサインして家に連れて帰った。

 

一週間、テレビの裏から出てこなかった。

知らない匂い、知らない人間、知らない天井。怖かったのだろう、その時だけこたつ布団に粗相していた。

申し訳なかった、私の勝手なエゴでこの子を連れてきてしまって、幸せにするどころか出てきてさえもらえない。ごはんも私がいないときに出てきて食べているようだった。

一週間経ったころ、ごはんをお皿に入れていたらそろ~っとテレビの裏から出てきた。

そうして私の目の前に恐る恐る現れて一鳴きした。

「ビャー!」

ん?今なんの音がどこからした?

「ギビャー!」

目の前の灰色のネコチャンから発せられる音だと気づくのに10秒要した。

 

友だちのロシアンブルーも、妹のロシアンブルーも鈴が鳴るような透き通った声だった。個体差があるのは百も承知だが、めいこはハスキーボイスキャットだった。

正確には「ギ」と「ビ」の中間くらいの音を結構な大きさで叫ぶような鳴き声。しかも結構な頻度で鳴く、図鑑に載っていたボイスレスキャットではなかった。

その日からめいこは私と仲良くしてくれるようになり、翌月には一緒に寝てくれるようになった。今も帰宅すると玄関まで迎えに来てくれる。

ヒヨッコだった私も今では立派なしもべとなり、朝5時のモーニング「ギビャー」に対応できるようになった。

 

今日は猫の日、普段の感謝を込めてちゅーるを贈呈しよう。

 

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