めいこ(猫)がうちに来て早8年目。来た時6歳だった。
来た年に大病を患い、10日間の入院生活を余儀なくされた。
ある日の朝、めいこがうずくまって口で息をしていた。
猫が口呼吸をしている。慌てて動物病院に連れて行った。
肺炎かなということで、抗生剤を投与することになりめいこを預けて勤務に行った。
帰りに寄ったら余計に呼吸状態が悪化して、入院になってしまった。
そこからごはんも一切食べなくなってしまい、やせ細ってみるみる小さくなっていった。
休憩室で中材のMさんに「呼吸が切迫してて、レントゲン撮ったら肺がまっ白で。心機能も悪くなっててニトログリセリン持注でいってて…」
と涙をこらえながら現状を説明すると、Mさんも神妙な顔つきで話をきいてくれていた。休憩室の端っこからスタッフAさんも心配そうにこちらを見ていた。
「あんなに好きだったカリカリも食べなくなって…。」
「え…?お母さん、カリカリ食べるの???」Aさんが目を丸くして私を見ていた。
「え?お母さん?」
「お母さんの入院の話じゃなかったの?」
「猫です。うちの猫が入院してるんです。」
アンジャッシュのコントを地で行く勘違い。
その後、職場の人々に心配され励まされ、めいこは元通り元気になった。
カリカリを美味しそうに食べるめいこを見るたびに、Aさんのびっくりした顔を思い出す。今日もめいこは元気に走り回っている。