メイタタのしもべ日記

タンザニア出身マサイの夫と日本人妻の日常

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金剛山登山の思い出

寒さが和らいできた今日この頃。

そろそろ登山に行きたいなと思いつつ、まだ山頂には雪があるかも知れないので行けていない。雪山が怖いのだ。

 

高校生の時に、金剛山登山行事が毎年2月にあった。受験生の3年生は免除。1、2年生の時は一次登山に参加できなかったら二次登山に集められ、それでも参加できなかったら最終的に担任と登るという強制イベントだった。

 

2月の金剛山は寒い。雪が積もっているのがデフォルトで、1年生の2月が近づくと学校から「アイゼンを購入、もしくは上級生に貰う」という案内がくる。

「アイゼン?」高校生の私はアイゼンを知らなかった。凍った雪の上を歩く際に、滑り止めとして靴底に装着する金属製の爪が付いた登山用具がアイゼンだよと先輩に教えてもらった。

「どこで買えますか?」「SATYで売ってるよ」

今は亡き近所のSATYに出向き、「アイゼンってありますか?」と尋ねた。するとこの時期、高校生が大挙をなしてアイゼンを買いに来るのでSATYもアイゼンを置いてくれていた。守備範囲の広い生活百貨店SATY。

 

こうして無事にアイゼンを購入して、第一次登山に参加。

登山なんてほとんど経験がない高校生たちが体力にまかせてグイグイ登っていく。野球部と陸上部はタイムトライアルがあり走って登っていくのを見て、水泳部で良かったと心の底から思った。

体力も気力もやる気もない私と友だちは、1番最後尾でひーひー言いながらどうしてこんな強制参加イベントがあるのだろうと呪いの言葉を吐きながら登った。いよいよ地面が雪で覆われてツルツル滑るようになったのでアイゼンを付けて歩く。

ザクザクザクザク最初のうちは少し楽しかったが、5分もすれば足が重いもう歩けない、なんでこの寒い中こんなことをしているんだろうと思っていたその時。

傾斜がきつくなっている下り坂でコケた、コケた拍子にアイゼンが手に当たって流血。寒いし痛いしもう2度と雪山には登らない!と誓った高校時代。

 

それから十数年、金剛山には寄り付きもしなかったが気が変わって昨年夏に金剛山に登ってみた。

高校生の時あんなに辛かったのに、久しぶりの登山は楽しかった。1人で自分のペースでゆっくり登る楽しさを知ったし、頂上から見る景色も綺麗、頂上で食べたおにぎりも美味しかった。

 

もう少し暖かくなったらおにぎりを持って、金剛山に登りたい。春になったらやりたい事、一つ見つけた。

 

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