メイタタのしもべ日記

タンザニアに住むマサイの夫と遠距離中の看護師

キリマンジャロ登山⑦4日目下山ウフルピーク~ホロンボハット

ついにウフルピークに到達した私たち。

時刻は朝7時28分。写真を撮ったり景色を眺めて感慨にふけったあとは下山。

 

たいした登山経験もないのだが、下りは大の苦手。

膝が自分の体重をうまく捌ききれない、きっと重心のかけ方が下手なんだろう。

すぐに膝が笑いはじめる。

 

ウフルピークからステラポイントに戻る途中、同じ日程同じルートで登っていた別の男性パーティーに出会った。

彼は高山病の症状が強く出たため、思ったよりも時間がかかったそうだ。

「でも、登山は競争じゃないんだしゆっくりでいいんじゃないですか?」

「僕の職業は、山登りのタイムアタックなんだよね。今まで色んな山登ってきて、ここより高い山もいったことあるんだけど今回は辛かったな。」

 

プロでも高山病には勝てない。

私は今回運よく症状があまり出なかったから登れたのだ、ラッキーな人間である。

 

ギルマンズポイントに戻って下を見る。

こんなところよく登れたな、と思うような道のり。

サミットへの登頂が真夜中なのは2つ理由がある。

 

1、太陽光を避けるため。(体力温存)

2、ルートが目に見えたら「これを登るのは無理」と心理的にきついから。

 

確かにこの道のりが見えてたら途中で諦めていたかもしれない。

 

砂利道を滑るように下っていく。

靴が砂利に埋もれて歩くというか、雪道を滑りながら降りるイメージ。

下っている途中に、キボハットで同室だったフランシスコとすれ違った。

彼は出発が4時だったので朝日が燦燦と照り付けるなか、ガイドと2人で登っていた。

「登れたのかい?」

「はい、頂上まで行けました。」

「そりゃあガイドが2人も付いてたらいけるよね、僕は1人しかガイドいないからどうかな。」

だったらお金出してもう一人雇ったらいいのでは…?

 

キボハットに11時に戻り3時間仮眠をとった。

そうしているうちにフランシスコも帰ってきた。どうやらバテてギルマンズポイントで引き返したらしい。

チップについて聞かれたので、ブログで見た金額を彼に伝えると

「はあ?会社から給料もらってるやろ。10ユーロくらいで十分や。」

…じゃあ聞くな!

一応、参考までに私はガイドに30ドル/日払った。

10ユーロじゃ全然足りない、彼についていたガイドさんこき使われて10ユーロじゃあんまりだ。

 

14時にキボハットを出発して、ホロンボハットを目指す。

ガイドのハミシにフランシスコの愚痴を聞いてもらった。

「ああいうガイドやチームにリスペクトがない人間は嫌いだよ。」

「知ってた。フランシスコのガイドが『あの女の子、彼のこと嫌いだね。僕と喋るときと全然表情が違う』って教えてくれたから。それに見てたらわかるよ。」

そんな露骨に態度に出ていたのか…知らぬはフランシスコだけちゃうか?

 

17時半にやっとホロンボハットに着いた。

なにやら山火事が起きていて、あたりはレンジャーの人たちでごった返していた。

長い一日が終わり、私は夕食後すぐに泥のように眠った。

 

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