メイタタのしもべ日記

タンザニアに住むマサイの夫と遠距離中の看護師

キリマンジャロ登山⑧最終日

目が覚めた。

ホロンボハットの山小屋で久しぶりによく寝たなと思う。

酸素が体に取り込まれる感覚がする。

酸素が薄いと眠りも浅くなることが今回の登山で分かった。

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山小屋から出て外の空気を吸う。

ホロンボハットまで降りてきても標高3720m、富士山が3776mなのでほぼ同じくらいの標高にいることになる。

ヨーロッパのどこかからやってきた男性が私に話しかけてきた。

 

「僕は今から登りなんだけど、君はもう行ってきたとこ?」

「そうです、無事登頂して今日下山するところです。」

「おめでとう!日本にも行ったことあるよー富士山も良い山だったね。」

「富士山には登ったことないんです、見てるだけで(新幹線の中から)。」

「え!!富士山行かずにいきなりキリマンジャロ来たの!君面白いね!」

 

違うんです!金剛山には行ったんです!(言い訳)

帰ったら富士山に行こうと誓った瞬間である。

 

朝ごはんを食べて、ホロンボハットからゲートまで19㎞の道のりを歩く。

しばらく歩くと山火事があった場所を通りかかった。草木が黒く焦げてまだほんのり温かい。

 

「原因はコレだろうなあ。」

ガイドのハミシが見る先にタバコが落ちている。

タバコのポイ捨てが枯草に着火して大規模な山火事になったのだろう。

Wi-Fiのケーブルもダメになったようで、山小屋ではネットが使えなくなっていた。

 

焦げた匂いの中、黙々と下山する。

登りに3.5日、下りに1.5日の計5日間。

高山病の症状も軽く、思っていたよりも楽しい登山体験だった。

それもこれも、ガイドをはじめ支えてくれるスタッフやすれ違う登山者の声掛けに励まされた結果である。

無事にゲートにたどり着き、登頂証明書が発行された。

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2022年10月31日AM7:28

私は生涯この景色を忘れることはないだろう。

そんな気持ちをパッキングした動画を作成した。

ここ最近で一番頑張ったことを動画にして残しておけるなんて、良い時代に生きているなと思う。

 

自分で自分を褒めることなんてそんなにないけれど、「やればできるやん」と自分に言ってあげられる体験だった。

何事も一歩踏み出してみないとわからない、やらずに諦めるよりやって諦める人生でありたい。

 


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