メイタタのしもべ日記

タンザニア出身マサイの夫と日本人妻の日常

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マサイ村滞在記③ロマが村に彼女を連れて帰ってきた

マサイ村に着いたその日から、毎日色んな人がロマと私に会いに来てくれた。

 

同じ集落に住んでいる家族はもちろんのこと、普段は別の村で暮らしている祖母(第一夫人)も、ロマが初めて彼女を連れて家に帰ってきたという事で遥々会いにきてくれたのだ。

会って直ぐに子どものように抱っこされて、とても嬉しいと思ってくれている様子が見てとれた。マサイ語はさっぱりわからないが、何だかとても歓迎されているんだなあと思っていると彼女が着けているネックレスの一つを私に掛けてくれた。隣に居たロマが驚いて説明してくれた。

「タタ、このネックレスはとても大切な物なんだよ。おばあちゃんの子どもが1人亡くなって、その時に作った大切なネックレスをタタにあげるって。」

そんな大切なものを貰っても良いものか、と思ったがビビ(おばあちゃん)はニコニコしている。ありがたく頂くことにした。

 

次の日に母方の祖母も私たちに会いにきてくれた。会って直ぐに揉みくちゃにされて、彼女が私の本当のおばあちゃんなんじゃ無いかと思うくらい歓迎してくれた。

マサイ語が分からない私に、身体の部位を指差してマサイ語でなんて言うか教えてくれた。

「エンゲトゥク(口)、エングメ(鼻)、エッセデル(頬)」

発音も難しいし、馴染みのない単語に四苦八苦したが毎日言っているうちに何となく覚えてきた。私がマサイ語を喋るとみんなが喜んでくれる。単語しか話せないが、毎日聞いていると少しくらいは覚えられるもので、帰る頃には知ってる単語を駆使してみんなとコミュニケーションをとれるようになっていた。

その他にも色々な人が会いに来てくれて毎日楽しく過ごしていた。

 

「何でこんなに色々会いにきてくれるの?」

「初めて彼女を連れて帰ってきたから。俺が1番上の兄弟だから。」

 

たったそれだけの理由?!

マサイの娘でもない、タンザニア人でもない、おそらく日本が何処にあるかも知らない、マサイ語もスワヒリ語も話せない私の事を快く受け入れてくれる家族。

しかもきっとマサイの掟は色々あるだろうに「タタは日本人だからしなくていいよ。」なんて懐が広いんだろうか。逆の立場なら「郷に入れば郷に従え」を強要してしまいそうな私、ロマが日本に来たら好きなようにさせてあげよう。

 

その日の夜、ロマが用事で村に出て行ってなかなか帰ってこなかったのでベッドでウトウトしているとママがやってきて「タタ、疲れてるでしょうマッサージしてあげる。」

ママにマッサージしてもらいながら寝落ちをかますという、日本だったらおおよそ考えられないシチュエーションもここではすんなり受け入れられる。

マサイ村マジック。

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マサイの歯ブラシ