メイタタのしもべ日記

タンザニアに住むマサイの夫と遠距離中の看護師

キリマンジャロ登山①序章~ふもとの町、モシを目指す~

タンザニアケニアの国境に聳え立つアフリカ最高峰の山、キリマンジャロ

昨年2022年の10月に私はこの山に登った。

 

10月25日キリマンジャロのふもとにある村、モシ(タンザニア)に着いた。

Booking.comで予約した宿にたどり着くまでがとても大変だった。エジプトのカイロから飛行機でタンザニアに行ったのだけれど、当初カイロ→ダルエスサラームキリマンジャロ空港の予定だった。

 

タンザニア入国2日前。

飛行機のオンラインチェックインをしようと開いた画面を三度見した。

カイロ→ダルエスサラーム→アルーシャ。アルーシャ…どこ???

当日、カイロの空港で上記を訴えてみた。

キリマンジャロ行きでチケット買ったんだけど、最終到着地がアルーシャになってるんです。」

ダルエスサラーム→アルーシャ行きはうちの会社じゃないから、ダルエスサラームで聞いて。Have a nice flight!Next please!!」

おじさんの言うことはもっともだが、アルーシャってどこやねん!不安を抱えてダルエスサラームへ。

「あのーキリマンジャロ空港に行きたいんですが、変更ってできますか?」

「ああ、到着地変わったのよ。アルーシャからバス出てるからそれ乗ってモシに行って。」

 

私は地球の歩き方愛読家だ。

しかし、地球の歩き方東アフリカ篇は2016-2017年版を最後に更新されていなかった。

初めて行く東アフリカ、最近行った人たちのTwitterやブログを読み漁り情報収集するしかなかった。まずどうやってアルーシャ空港からバスステーションまで行くか、バスのチケットの買い方乗り方、モシのバスステーションから宿の行き方。

初見の国で確かな情報もない中で、難易度高め。

しかも宿にキリマンジャロ空港からのピックアップを頼んでいたから、それも断らなければならない。

 

ぼんやりとフライトを待っていると、先ほどの航空会社窓口のお姉さんが私の方に向かって歩いてくる。

「早くチェックインカウンター行って、あなたを待ってるのよ!」

時刻は朝6時過ぎ。手元にあるチケットには12時半出発と印字されている、なんで?

わからないがチェックインカウンターに行ってみるとこれまた不機嫌なお姉さんが待っていて「早く!こっちよ!!」と急かされる。

どうやら6時半に出発するらしい。とりあえず空港のWi-Fiをひろって宿にメールでアルーシャに着くことになった旨を送ったらすぐに返信が来た。

「アルーシャ空港まで同じ値段(30ドル)で迎えに行ってあげるよ。」

神様…!

アルーシャ空港とキリマンジャロ空港は車で1時間かかる。キリマンジャロ空港からモシまでも1時間かかる。倍の距離になるのに、わざわざ同料金で迎えに来てくれるというのだ。ありがとうエラスト(宿のオーナー)!!

 

これでなんとかなる、飛行機に乗り込み安堵からすぐに眠りについた。

ガタン。

ん?時刻は7時、30分しか経ってないのに着陸している。隣の人に詳細を聞くと機械トラブルで引き返したのだ。確かに離陸前と同じ光景が広がっている。

乗客全員降りてもう一度身体チェックゲートをくぐり、同じ飛行機に乗る。本当に時間通り着くのか募る不安。

 

今度こそ…10時に着くって言っちゃったから、お願いだから飛んで。

1時間後。ガタン…窓の外を見ると「ザンジバル空港」と書いてある建物が見える。もう諦め半分、私はどこに連れていかれるのだろう?不思議なことに乗客の半分くらいがゾロゾロと降りていくが、半分くらいは座っている。

後ろの席のご婦人に「これってアルーシャ行きます?」と聞いてみると「そうよ、そのまま座ってたらいいのよ。」

 

まるでバスや電車のよう。

飛行機で途中下車あるのか、とにかくアルーシャに行けるなら何でもいい!

ドキドキしていると9時半にアルーシャ空港到着。間に合った、飛行機を降りて待合所のようなテントでお迎えを待つ。

タクシーのおっちゃんたちが「Taxi??」と寄ってくる。

「宿の迎えをまってるの。」

「どこの宿?」

「モシのClimbers Home。」

「オッケー待ってて」

おっちゃんはわざわざ宿に電話してくれて、ドライバーがもうすぐ着くからここで待ってるように教えてくれた。しかもチップも強要されなかった、ただのいい人。

 

10分後。宿のお迎えが私の名前プレートを持って来てくれた瞬間、涙が出るくらい嬉しかった。2時間車に揺られてモシについた。

宿でツアーも取り扱っていたのでキリマンジャロに登りたい旨を伝え、明日登山グッズのレンタルに行くことが決まった。

 

小さな町を歩いてみる。

雲の切れ間からキリマンジャロが見えている。本当にあそこに登るのか、不思議な気持ちで夕暮れのキリマンジャロを眺めていた。

 

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