母が一人で日本に帰国した頃、私とロマは熱風に吹かれながらダルエスサラームにあるJulius Nyerere国際空港に来ていた。
ロマにとっては初めての飛行機、空港内に入るためにまず荷物検査を受ける。
帰国のルートはタンザニア→ケニアのナイロビ空港→ドバイ→日本の予定だった。
空港のカウンターに行き、チェックインをするもここで予想外の問題発生。
ロマのパスポートには日本のVISAが貼付されているので、それを見せればいいと思っていたらケニア航空のスタッフに色々質問された。
「帰りのチケットは?」
「滞在期間が未定だから、帰りのチケットは取っていません。」
「なんで?」
「妻が日本人で、一緒に帰国します。配偶者VISAを取っているので3年間は滞在できるようになっているはずですが。」
「確かに、3年になってるね。じゃあ二人が夫婦だという証明書は?」
え?VISAあるのに婚姻証明いるの?ここで???
そんなこと微塵も考えていなかったので、結婚証明書は手元になかった。あるのは日本語で書かれた戸籍謄本だけ。
「これ、日本語やん。なんて書いてあるのかわかんないよ。写真でもいいからないの?」
写真をくまなく探して、結婚した日に撮った写真に小さく結婚証明書が写っていてそれでなんとか許可された。私は日本でもタンザニアでも結婚証明書を持ち歩かなくてはならないのか?
備えあれば憂いなし。また一つ学びを得た。
荷物を預けて、パスポートコントロールもあっさり通過。
昨日、母を見送りに来た時は大混雑でちっとも進まなかったのに、今日は私たち以外に2人しか乗客が見当たらなかった。
この時点で何かおかしい、人が少なすぎる。とは思ったが普通にチェックインできたし、気のせいだろうとゲートに向かった。
ゲートにはケニアに行く旅行者が30人くらいいたので、フライトまでの時間空港内をウロウロした。ロマは初めてみる飛行機の離着陸に興味津々で窓に張り付いて見ている。
「どの飛行機に乗るの?」
「まだ飛行機着いてないみたい、どんなのか楽しみだね!」

9時45分発の飛行機は9時半になっても現れなかった。
「皆さん!お伝えしなければならないニュースがあります。私の周りに集まってください。」
突如、ケニア航空のスタッフが大きな声で乗客を集め始めた。嫌な予感しかしない。
「飛行機は飛びません。なぜならケニアのナイロビ国際空港でストライキが起きたからです。ここにいる私たちは稼働していますが、ナイロビの職員はストのため混乱しています。詳しいニュースが入り次第お伝えしますのでお待ちください。」
人生初ストライキによる飛行機の遅延!!
何人かの乗客はスタッフに詰め寄り「なんでもいいからケニアまで運べ、そっから乗り継ぎがあるんだよ!」と苦情を入れている。
私とロマは「しゃーない、待つしかない。」となり、11時くらいまでぼんやり外を眺めていた。

11時過ぎにスタッフが来て、軽食とドリンクの用意ができたから食べてくださいとランチボックスをくれた。バーガーとオムレツとソーセージのシンプルで美味しいランチを食べながら、さてこの先どうするかなと思っていたら、13時に飛行機が飛ぶことになった。
一安心して、ケニア以降のフライトが間に合うかな〜なんて思っていたら12時30分、チケットを予約していたサイトからメールがピロンと届いた。

えーっと、ナイロビードバイ キャンセル。ドバイー大阪 キャンセル。
キャンセル??てことはナイロビまで行っても、その先の飛行機ないってこと?
カスタマーセンターやグランドスタッフに聞いても、航空会社(エミレーツ)に直接聞かないと代替えの便があるかわからないと。私が落胆している隣で白人のおばさまが「遅れたせいで乗り継ぎできない人たちへのバウチャーはないの?タクシーとホテル手配しなさいよ!」と詰め寄っている。そこで吹っ切れて諦めることにした。
「やめやめ!今日は仕切り直して後日、違う便で日本へ行こう。今日は帰りまーす!」
と高らかに宣誓するとロマに大笑いされた。ケニア航空のスタッフに事情を説明し、預け入れ荷物を戻してもらった。
出発ギリギリのところで荷物を回収して、新しい宿を探し、日本行きは仕切り直しということでホテルに帰って爆睡!!
お疲れ様でした!
次回:3度目の正直。Welcomニッポン!

空港に入って5時間で到着口から出てきた私たち。
すごい!もう帰ってきちゃった!と笑うロマのおかげでそんなに腹は立たなかった。