メイタタのしもべ日記

タンザニア出身マサイの夫と日本人妻の日常

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卵が300円になったことに気がついた

近所のスーパーに行き、いつも通り卵を買おうと売り場に行ったら1パック300円を超えていた。

 

物価高が叫ばれる昨今、なんとなく高くなったかなぁと思っていたがついに卵300円台になって初めて実感した。これがインフレなのか。

 

小さい頃、祖母の家では鶏を飼っていて、家で食べる分の卵はそこから来ていた。

時々「卵産まれてたら取ってきて」とお使いを頼まれて鶏小屋まで取りに行っていた。小屋の中に入り、卵を探すと幾つか産みたての卵が見える。当時、就学前の子どもだった私にとって鶏の成体はなかなかの迫力でおっかなびっくり卵を取りに行っていた。

鶏だって、せっかく産んだ卵を毎度取り上げられるのも気の毒だが、私もお使いなので引くわけにはいかない。今日の献立に卵焼きが入るか入らないかは、私の働きにかかっているのだ。

鶏に追いかけられ、突かれ、半泣きになりながら卵を取って祖母に渡す日々。

 

ある夏の日、祖母に頼まれて鶏小屋まで行った。何やら鶏たちが騒がしいので、そっと覗いてみる。鶏たちは上の方の止まり木にとまって、地面には一羽もいない。

私は息を呑んだ。

蛇だ、蛇が小屋に入って卵を丸呑みしているのだ。小屋は緑色の蜂の巣みたいなフェンスで囲まれていて、その隙間から蛇が侵入したのだろう。そして、入ったはいいがお腹が卵のせいで大きくなって出られなくなっているのだ。

幼き私は号泣しながら蛇に石を投げたり棒で出て行くように仕向けたりしたが無理だった。地球上の生物で何よりも蛇が苦手なのだ、苦手な蛇が私のお使いを阻む。

埒があかないので家に戻り、祖母に「蛇が、蛇があああああ!」と泣きながら訴えた。祖母は強よし。

「あぁかなわんよぉ!!(怒)」

素手で蛇を掴んで草むらに投げた。

ばあちゃんすごーーーーー!

一撃で解決、残りの卵は無事に回収。

 

この時の事を思えば、300円出して10個卵を買えるのは正しい値段なんじゃないかと思い始めた。鶏に追い回され、突かれ、蛇に怯えて卵を回収するのなら大人しく300円払いたい。

 

養鶏業の方々、いつも美味しい卵をありがとうございます。