ザンジバル島は今日も晴れ。
本当は友達が滞在しているNungwiに行きたかったのだけど、ロマの体調が思わしくないため中止した。
予定がなくなり、「今日は何しようかな」と考えながらバスルームで身支度をする。
用意もできたことだし、母を誘って散歩にでも行くか。
ガチャ
あれ、鍵こんなに固かったっけ?
ガチャガチャ
落ち着いて考えよう、鍵は時計回りで閉まるから反時計回りで開くはず…開かない!
振り返ってバスルームないを観察してみたが窓は明かり取り用のはめ込み式、ここから出るにはドアをなんとかするしかない。
ガチャガチャやってるとロマが気が付いた。
「どうしたの?」
「開かないーーー!」
バスルーム内は蒸し暑く、10分もいると汗が滴ってくる。
リアル脱出ゲームが不意に開催されてしまった。
しばらく2人であーでもないこーでもないと奮闘して、最終的にフロントに電話してもらった。
駆けつけてくれたスタッフがすぐに開けてくれて一件落着、バスルームの鍵はかけない事をロマと誓った。
母と2人でストーンタウンを散策。
フォロダニで猫を見て、ザンジバルドアと言われる特徴的なドアを見て回った。
ホテルに戻ってもロマの体調は芳しくない、病院に行くよう勧めても首を縦に振らない。
夕方、母とロマと3人で出かけてみた。
「ロマ君、なんか活気ないね、大丈夫?」
やはりぼーっとして、返事も遅い。
夜になってようやく「病院に行きたい。」というので、バジャージに乗って病院へ。
病院で手続きして、夜だからなのかやっぱりエマージェンシールームに通された私たち。
「あれ?!今度は違う患者さん連れてきたの?お母さん元気???」
先日母を診察してくれた医師が夜勤だったようで、またしても現れた私に笑顔で話しかけてくれた。
「ありがとうございます、母は元気になったんですが今度は夫を連れてきました。」
「大変だねえ、じゃあ採血して点滴するからお会計行ってきてね。」
ロマはぐったりしているが、血圧も心拍数も熱も特に問題ない。
何が理由なんだろう、半目を開けてベッドに横たわるロマを見ていると医師が採血結果を持って帰ってきた。
「うーん、特に炎症反応が上がってるわけでも電解質が崩れてるわけでもないんだよねえ。一応マラリアチェックしたけど陰性だし。嘔吐が続いているみたいだから、とりあえず補益と吐き気どめ入れとくね。」
ザンジバル島で2回も病院に来て、タンザニアの医療現場を見学できてよかったとプラスに考えよう。
全ての点滴が終わってホテルに帰る頃には、日付が変わろうとしていた。