いよいよ水が無くなってきた。
今年に入ってからまとまった雨は1日だけ、元日に降って以来かんかん照りの毎日。
近所に作った溜池も、私が帰って来た12月はなみなみと水があったのだが、もはや水たまりレベルになってしまった。
小学生の頃、雨が降らなくて断水になった香川の事を思い出す。
早明浦ダムの水位を毎日ニュースで見ていたように、毎日溜池の水位を見守る私。
見守ったところで増えるわけでもないが、ここが枯れてしまったらロバを連れて往復3時間以上の水汲みになってしまう。
村のママたちが遠くまで水汲みに行くのは大変だ、なんとか雨が降って欲しい。
それに、水位が下がれば下がるほど泥水になる。
浄水器なんてものは無いので、上澄みを掬い取って一番マシな水を料理に使う。
それ以下の泥水で食器洗い、洗濯、お風呂、手洗いに分けて使う。色としてはミルクコーヒーくらいだ。
なので、最近炊いたご飯はジャリジャリしていたし髪の毛も洗ったけど、乾いたら細かい砂が頭から出てくる。
洗濯物も洗いたいけど、水がないのでしばらく同じ服を着て過ごしている。
水がないと困るのは人間だけではない。
牛も羊も山羊も困る、食べる草が無くなるのだ。
もう食べる草が無くなってしまったら、家を離れて放牧に出なければならない。
放牧に出ると言うことは村の男性メンバーが数人減るという事だ。
色々と生活に支障が出るので、何とか雨が降って水を確保したいところ。
日本にいる時は雨が降っても喜ぶことはなかった。
今は雨乞いでもしようかと思うくらい雨が降ってほしい。
毎日、空を見上げて雲の行方を追っている。
すると、本当に久しぶりにまとまった雨が降った。
恵みの雨だ。
誰よりも早くバケツを片手に外に飛び出し「ティピカ エンガレ!(水、入れる)」
と張り切って水を集める私を、家族は嬉しそうに眺めている。
私は泥水を飲むことが出来ない、だから雨水を集めたい!至極自分勝手な理由で雨水をタンクに入れているだけだが、家族は私が自発的に水を集める姿を見るのが嬉しいらしい。
本当は井戸を掘って、天候に左右されない水の仕組みを作りたい。
それにはお金も労力も必要なので、今できることから取り組もう。
村のみんなが水に不自由しない生活を作る。
綺麗な水がいつでも飲める、そんな環境を整えていこう。