メイタタのしもべ日記

タンザニアのマサイ村に嫁いだ日本人の日常

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命に感謝

お昼にロマと一緒にニワトリを捌いた。

小さい頃、おばあちゃんが家で飼ってるニワトリを〆ているのを横で見ていた経験はあるが実際自分でやった事はない。

雌鶏を1匹捕まえて、ロマと一緒に家の裏で捌いていった。

 


包丁で首を落とす。

首を落とした後も何十秒かは本体が動いているので、足を押さえて逃げないようにする。

「タタは必要以上に驚かないから助かるよ。」

ロマはそう言って動かなくなったニワトリの足を持って私に渡した。

命をいただくのにワーキャー言ってる場合ではない。小さい頃に見た経験が今の自分を助けている。

 

沸騰した湯に浸してから羽を取る。

結構大きいと思ったが、羽がなくなると途端に小さく見える。

途中から一緒に手伝ってくれたモニカ(妹③)と思わず「タササ(痩せてる)」と呟いて顔を見合わせた。

マサイの人たちは鳥を食べる習慣はないので、家で飼ってるニワトリは全部出荷用だ。

そんなわけで、誰も捌き方がわからない。

ロマがYouTubeで調べて、とりあえず足と羽を切り分けていく。

日本にいる時はスーパーで「ムネ」「モモ」など部位別に売られている物を買って調理していたが、ここでは自分で切り分けていくしかない。

 


先日、子どもが生まれたお祝いを村で開催した時に来てくれたスワヒリの友達にお礼を込めてニワトリを渡していた。(スワヒリ:マサイ以外のタンザニアの人の事)

ニワトリは足を紐で括られ逃げられないようにしてダダ(お姉さん)の懐にセカンドバッグのように抱かれ、3人乗りのバイクに揺られて帰っていった。

〆る前のニワトリをプレゼントする、その発想は無かったがみんなお家でニワトリを〆て食べるのが普通なんだろう。

 


ロマがわからないなりに、どんどん捌いていく。ムネ、モモ、手羽先、手羽元、内臓。

全部切り分けてお皿に載せると、本当に少なく見える。

日本から持って来て唐揚げ粉をまぶして、油で揚げていく。

出来上がったのは1皿分の唐揚げ。

家族みんなが食べられるだけの唐揚げを作ろうと思ったら、一体何羽のニワトリが必要なんだろう。

命に感謝していただく。

出来立ての唐揚げは美味しかった、ロマと私で半分食べて残りは妹たちにあげた。

 


残った骨で鶏がらスープを作った。

骨と生姜とニンニクと塩を入れて煮込んでいく。

これが本当に美味しかったので、半分はママにあげた。

特別なことがない限り、肉を食べることがないので村の女性にとってはご馳走だ。

ありがとうニワトリ、アッシェエンガイ。

今日も美味しくご飯が食べられる事に感謝。

 

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