メイタタのしもべ日記

タンザニア出身マサイの夫と日本人妻の日常

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人生初フライト

ケニアストライキで日本に帰れなかった日から2日後、私たちはダルエスサラームの国際空港に舞い戻った。

今度こそ、日本に帰るんだ!

ケニアがどうなっているのかよくわからなかったので経路を変更しタンザニアエチオピア→香港→日本の経路で帰ることにした。

空港に着いてチェックイン、今度は何も質問されることなくスッと通された。この前のはなんだったんだろう?航空会社によってマニュアルが異なるのか?

まあいい、スッと通れるに越したことはない。

今度こそ、日本まで飛んでいただきます!

 

エチオピア行きの飛行機は定刻通り搭乗を開始、ついに飛行機に乗ることに成功した私たち。

ロマはやや緊張の面持ちで窓の外を見ている。

飛行機がゆっくりと動き出した、機内はCAさんが緊急時の説明をしていて、ロマは身じろぎもせず説明を聞いている。

ついに滑走路に侵入し、スピードが上がり体に圧を感じると次の瞬間大きな飛行機はふわっと離陸しぐんぐん上昇していく。

ロマは初めてのフライトでいろんなことが気になるようで、キョロキョロと周りを見ては私に疑問を投げかけてくる。

「どんどん上がっていって、これは神様に近づいてるってこと?」

「そうなるんかなぁ?まあ空には近づくけど。」

「月に突入したりする?」

「月までは行かへんよ。そんな高くまで飛ばんから。」

「ねえ!雲の上にいるよ!!」

 

そういえば、初めて飛行機に乗った時に同じこと思ったっけ。

自分の下に雲がある!あれは中学1年生の北海道に行く飛行機だったなと懐かしく思った。

機内食にも興味津々、飲み物のサービスも何もかもが新鮮に映るロマを見ながら私はすぐに眠りに落ちてしまった。

気がつくともうすぐ着陸、エチオピアアディスアベバ空港に到着するところだった。

揺れることなくスムーズに着陸し、次なる乗り換えに向けてセカセカと歩いてゲートを探す。

この空港は大きくて、ゲートも上下に分かれて少々わかりにくいのでさっさと自分のゲートを探して近くで時間を潰すことにした。

2時間くらい待って、次の香港行きのフライトに搭乗。

行き先が香港なので、いよいよアジア人が増えてきた。

 

アディスアベバを出て11時間、ようやく香港に辿り着いた。

やはり10時間以上のフライトはしんどい、首が鞭打ちのように痛む。そのくせネックピローは使いたくないので自業自得である。

香港の浦東空港は綺麗で新しい空港だった。

ロマは動く歩道を見てびっくりしていた、エレベーターも今回初めておっかなびっくりで使って、さらに道が動いているんだから驚くのも無理はない。

「なんで動いてるの?普通に歩いたらよくない?」

「空港広いからさ、これに乗って歩いたほうが早く着くんよ。」

そもそも時間に急かされる生活をしていないので、なんでそんな急いで行かなきゃいけないのか理解できないという顔だ。

初めてのアジアの国、こんなにたくさんのアジア人を見るのも初めて。初めてづくしの日本旅行

 

定刻通り、飛行機が動き出す。

ついに最終目的地に向かってテイクオフ!

3時間経って関空の光が見えてきた、海の向こう側に観覧車のあかりが青く光っている。

飛行時間と乗り換え、待ち時間全て含めて24時間。

私とロマはようやく日本に辿り着いた。

 

イミグレーションでスタッフのお姉さんに誘導してもらいロマの在留カードを作って、預け入れ荷物を受け取り、関税を通過し外に出たらもう22時。

ニアミーという乗り合いのタクシーを予約していたので、それに乗り込み家まで送ってもらい母と再会を喜んだのも束の間。

24時間の旅の疲れは怒涛の勢いで私とロマに襲い掛かり、ほとんど気絶するように布団に倒れ込んだのだった。

 

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