ダルエスサラームに行って、一番嬉しかったのはWi-Fiだがもう一つ嬉しかったことがある。
麺だ。
大きなスーパーマーケットで大量に売られている袋麺を発見!
隣町では見つけられないような種類の袋麺を発見し一人歓喜する妻を見て、ロマは「よかったねえ」と頷いている。
ケニア産の袋麺と韓国製の袋麺、日本のは置いてなかったが十分すぎるラインナップ。
麺コーナーが壁一面に広がっているのを見るのはタンザニアに来て初めてのこと。
パラダイスに来た気分で片っ端から3つずつ商品をカゴに入れ、18個の袋麺を持って泊まっているアパートメントに帰った。
さて、まずはキムチラーメンを食べてみる。
美味しい!麺がしっかりしていて、いつも食べているケニア産にはないコシがある。
麺のコシ!大事!
久しぶりにアジアの風を感じながら満足して就寝。
翌日はジャガイモの絵が描かれたラーメンを食べてみた。
どうやらカムジャ麺というらしい、ジャガイモの澱粉や粉末が使われた麺らしい。
日本にいるときは食べたことがなかった、さてお味は…「おいしーーー!」
ジャガイモを感じることはなかったけれど、もちもちの麺にほんのり辛さを感じるスープが絡んで美味しい。
私は細麺よりも、喜多方ラーメンのような太いちぢれ麺が好きなのでこれはヒットだった。
(そうは言っても細麺も好きです。)
家に持って帰るストックに買い足して、20個を超える袋麺を手にした私はルンルンで帰路についた。
ロマがその様子を見て
「そんなに食べたいんやったら、ここから送ってもらおうか?」
「送ってもらう…?どうやって?」
「さっき仲良くなったバジャージ(オート三輪)の人に、これ買って長距離バスに乗せてって言えば近くの隣町まで運んでくれるよ。」
「何その裏技、そんなんできるん?!
タンザニアの流通サービスがどうなっているかわからないが、バジャージの仲良くなった人に頼めるって柔軟だなあ〜。
そういえば私が小さい頃、私の村を縦断する長い路線バスがあって、大和八木〜新宮駅を走るバスにいろんな雑誌やら新聞を載せて、途中の停留所に放って行ってた。
置くじゃなくて、走りぎわに「ポーン」と投げる感じ。
いつからか見なくなったけれど、長距離バスに物を運んでもらうシステムがあった。
どうしても麺が食べたくなったら、その手を発動させることもできる。
新しい手段を手に入れた私はパワーアップした気分になった。
しかし、次の瞬間動画のコメントを見て目が点になった。
マサイの村でインスタントラーメン、自然豊かな場所で、経済社会が生み出した恥とも言える、添加物まみれの物を見るのは悲しいです。せめてスパゲッティにして下さい。
ガーン!
これが私の唯一の楽しみ。毎日ウガリを食べて、時々訪れるこの麺タイムこそが至福。
自然豊かなところに住んでいるから、添加物まみれの物を食べないで欲しいがイコールで結びつくのがよくわからないが、都会ならいいってこと?
登山して山頂で食べるチキンラーメンも美味しいのに。
でもスパゲッティはいいのか…。
この映像を見て悲しくなってしまったのか…申し訳ない。当チャンネルはこれからもインスタントラーメンは出てくるのでブロックを推奨する。
「マサイ村はこうあるべき」というご意見を時々いただく。
スマホを持たず、移動は徒歩で、藁葺きの家に住んでいて欲しい。
それって単に”自分の理想ってこうだよね”という願望の投影だったりしないか。
無添加食品、なるべく避けたい。わかる。体を気遣う姿勢、素晴らしい。
でも、その価値観を私にまで全力で投げてくるのはご勘弁願いたい。こっちはキャッチの準備してない。
ちなみにうちのファミリーは食に関しては「見たことのないものは食べたく無い」タイプなので、インスタントラーメンは食べない。
添加物にまみれているには私だけなので心配御無用。
タンザニアにラーメン屋がもっと増えたらこの問題は解決するのでラーメン屋が増えることを祈っている。
それか自分で作るか。南極料理人を見て、あの環境よりはなんとかなるかもしれないと思い始めている自分がいる。