やっと残暑が和らいだ9月末日。
ロマと私は京都の鴨川を歩いていた。
自然が多い場所の方が嬉しいロマ、川辺の草を見ては何やら思案している。
「この草は牛が喜んで食べるやつや〜なんで誰も放牧しないの?うちの牛連れてきてここで食べさせることができたら4日で丸々太るのにな〜」
「わからんけど、多分ここで放牧は許されへんのちゃうかな。」
「日本で牛見ないんやけど、スーパーで売ってる牛乳はどっからくるん?」
「牛おるよ、市街地にはおらんだけやで。」
牧場の写真を見せると、ここどこ?と興味深そうに見ている。
やはりマサイ族にとって、どこに行っても大事なのは牛なのだ。
今度牧場に連れて行こう。
今日の目的地は下鴨神社。
京都の出町柳駅から少し北に上がったところだ。
昔勤めていた病院の近くで、左京区に住んでいたときは散歩がてら遊びに行っていた。
糺の森は空気がひんやりしていて過ごしやすい、小川を覗くと小魚が泳いでいる。
神社の澄んだ空気が心地よい。
大きな赤い鳥居の前で、参拝客が礼をしている。
「あそこで礼をして入るの?」
「神様のお家にお邪魔するから、あそこで挨拶して入るんだよ。」
ロマはよく私に日本のルールやマナーを聞いてくる。お辞儀のタイミングとか、エスカレーターの片側空いているのとか、周囲をよく見ているなあと思う。
日本の文化に敬意を払いたいのだ。
鳥居をくぐり、神社の境内を散歩する。
ここにきた理由は、下鴨神社で挙式を申し込んだから。
数年前に世界一周を共にした友人がここで挙式した。
白無垢姿の友人と紋付袴の旦那さんがとっても素敵で、式をするのなら下鴨神社で和装でしたいとずっと思っていた。
婚礼受付に行き、祝詞のローマ字バージョンをもらい帰路についた。
マサイ族の格好をしたロマは緑の多い境内で、赤いマサイシュカをなびかせてとても美しかった。紋付袴も似合うんだろうな、とロマを見るともらった祝詞を小声で読んでいた。
「カケマクモカシコキ〜」

式は12月、2か月あるから大丈夫!!