ローズ(妹①)が1ヶ月ぶりに家に帰ってきた。
帰ってきた、と言っても私とロマが隣町に滞在中にバイクタクシーを手配して家に帰したのだ。
なので正確には、彼女が家に戻った時を私たちは知らない。
1ヶ月のうちにナナミ(妹⑥)は大きくなり、庭の木は壊滅的に倒れ、貯水タンクが設置されているのを見て驚いたに違いない。
ローズが帰ってきたことにより、ノバーロン(従姉妹)は随分楽になったはずだ。
この1ヶ月、ママは赤ちゃんの世話で手いっぱい。
彼女は朝から牛の乳を搾り、庭の掃除をしてチャイを作ってキブユを掃除して洗濯して昼ごはんの準備をして山羊と羊の世話をして食器を洗って水を汲みに行ってナナミの沐浴の準備をしてママと私とロマのお風呂の準備をして帰ってきたジェニファーとマグダレナ(妹④⑤)にご飯を食べさせて放牧から帰ってきた牛の乳を絞って夕食を作って片付けて就寝!これを1ヶ月一人でやってのけたのだ。
私が手伝える部分は手伝ったが微々たるもの、ほとんど全ての家事を一人で、まさにワンオペ。
洗濯って一言に言っても家族分手洗いするとなると1時間はかかる、タンクの水を取ってきてタライに入れて石鹸で洗って、洗い終わったらまた新しいタライに水を入れてすすいで絞って干す。
洗濯機に入れて脱水、もしくは乾燥までやってくれるわけもなく、全て手作業。
それ以上に厄介なのが作業中断。
マサイの女性は目上の人や男性に呼ばれると必ず行かなければならない。
ママがナナミのことで呼ぶ
「ノバーロン、ちょっと来て」
ロマが呼ぶ
「お湯沸かして」
愚痴の一つもこぼさずに黙々と働く彼女を、私は見守ることしかできなかった。
あまりにも何もしない私に腹を立てるでも、呆れるでもなくご飯を作ってくれて
「もっと食べないと!」
と大盛りにしてくれるノバーロン。
マサイの女性は本当に働き者で、しかもノバーロンとローズはちゃんと学校も卒業している。
この知識と労働力をもっと活かせたら良いのになあとロマに言うと
「バーを売却したお金で、うちに小さいお店を作るよ。妹たちにはそこで働いてもらうよ、そしたら自分でお金稼げるやん。最初の発注とかはやるけど、そのうち全部出来るように教えて行くから。」
おお!大賛成!
うちの村の周りには、小さな集落がたくさんあって隣村まで買い物に行くにはバイクタクシーに乗らなくてはならない。
行き帰りでだいたい4000シリング(240円)かかる。
4000シリングあればお米1Kg少し買える、バナナだったら40本買える。
うちに小さなお店ができたら、近所の人は歩いてうちに買いに来てくれるだろうというロマの目論見。
お米、豆、砂糖、塩、油、石鹸などの日用品を取り扱うお店を妹たちに任せる。
私たちが目指すマサイの女性雇用の第一歩が小さく始められそうだ。
小さな小さな一歩が、ゆっくり大きくなりますように。
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