メイタタのしもべ日記

タンザニアのマサイ村に嫁いだ日本人の日常

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イタリアとマサイ

ロマはマサイ語とスワヒリ語と英語を話すが、聞くだけならイタリア語も理解している。

それはザンジバル島に出稼ぎに行くと、たくさんのイタリア人観光客に出会うからだ。

ザンジバル島は小さな島だが、この島のどこで働くかによって必要な言語が異なる。

ロマが初めてザンジバル島に行ったときはマサイ語とスワヒリ語しか話せなかったため、職を得ることができなかった。

「ここで働くなら、英語かイタリア語話せないと働けないよ」

そう言われて、ビーチにいる観光客と話しまくった結果、英語が話せるようになったんだから驚きである。

 


同じ村に住んでいるコイカイ(叔父さん)はイタリア人観光客が多くくる地域で働いていたのでイタリア語の方が堪能だ。

私とは英語で話すが、あまり得意ではない様子。

私が何がスワヒリ語で何がマサイ語かわからないと言うと、

ザンジバル島で働いている時、最初はどれがイタリア語でどれが他の言語かわからなかったけど、そのうちわかるようになるよ。半年くらいかかったかな。」

みんな言語へのポテンシャルが高い。

元々、マサイ語とスワヒリ語の2言語を日常的に話す彼らにとっては3つ目の言語習得はそんなに苦労しなかったという。

ノートに書いたりすることもなく、話しているうちに覚えたという。

 


昨日、インターネットがつながる場所にいくとジェレミア(叔父さん)がいて電話していた。

私はイタリア語はわからないが、多分ジェレミアはイタリア語で喋っている。

電話が終わった後に聞いてみた

「ジェレミア、今イタリア語で喋ってた?」

「うん、昔の友達でね。元気?久しぶり〜って話してたんだよ。」

「イタリア語、どうして話せるの?」

「ずっと昔、もう11年前か。ザンジバル島で働いてたんだよ。」

 


知らんかったー!

出会って2年、まだまだ知らないことはたくさんある。

だから英語も少し話せるのか。納得。

「11年も前なのに、イタリア語そんなに流暢に話せるのすごいね。」

「ふふーん、グッドメモリー!」

いやはや凄い、日常的に話すことがなくても覚えているものなのか。

バーのテナントオーナーのカサカも流暢なイタリア語を話すし、ザンジバル島で働いた経験のあるマサイは3つ4つの言語を話す人が多い。

 


近所の村で出会う子どもたちは、私を見ると「チャオー」と挨拶してくれる。

どこからイタリア語が入ってきたんだと思ったら、どうやらマサイと仲良くなったイタリア人がこの周辺の村によく来るからだと思う。

随分前にジェレミアのイタリア人の友達がこの村に来て、井戸を作ってくれたことがあった。

残念ながら塩水しか出なかったけれど、それでも村の生活には大いに役に立ったそうだ。今は塩のせいで錆びて壊れて使えなくなってしまった。

他にも、マサイ男性とイタリア人女性のカップルや夫婦も多い。

先日もマーケットで出会った女性はイタリア人で、マサイの彼氏とはイタリア語で会話していた。

タンザニアの観光名所でもない田舎で、どうしてイタリア語が浸透しているのか?

初めてこの村に来たときの疑問がようやくわかった気がした。