メイタタのしもべ日記

タンザニアのマサイ村に嫁いだ日本人の日常

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私のニワトリ

マサイママ達が自由に売却できる家畜、それがニワトリ。

牛やヤギ、羊は夫の許可が無いと売ることが出来ないが、ニワトリはママ達の裁量で好きな時に売る事が出来る。

 

先日、スワヒリのお兄さんが家に訪問販売に来た。

この地域ではよく見る光景で、バイクに品物を積んで行商に来るのだ。

私が小さい時、うちの村にも中型トラックに野菜やお肉、魚を積んで行商に来ていた。

毎週水曜とか決まった曜日に、音楽を流しながら広場に来て売ってたことを思い出す。

音楽を聴いて「あ、来たよ。買いに行こう。」とおばあちゃんに連れられて、お刺身を買いに行ったりしたものだ。

近年はみんな車に乗るようになったから見なくなったけれど、スワヒリの行商を見て思い出した。

 

お兄さんは手早く商品を並べて、ママは真剣に悩んでいる。

子どもの服から帽子、マサイが上半身に巻くパレオ、セーター、ブランケットなどなど色とりどりの商品が並んでいる。

最近は雨季で寒く、朝夕はフリースジャケットを着るくらいの気温。夜は日本から持ってきた無印の毛布に包まって寝ているがそれでも寒いくらいだ。

ママはセーターとブランケットを交互に持って悩んでいる。

結局セーターを買うことにしたようで、ローズ(妹①)に指示してニワトリを1羽持って来させた。

どうやらニワトリ1羽と引き換えにセーターを買うと言う事らしい。

しかし、スワヒリのお兄さんは首を振っている。

「小さすぎるよ。」

ニワトリのサイズが小さくて、商品の価値に見合ってないようだ。

ママは「そんな事ない、良いサイズだし雌だし十分よ。」

2人が交渉している間、ローズの手の中でニワトリは鳴きもせず大人しくしている。

結局、交渉は決裂。

でもこの寒さだと、セーターが無いと風邪を引いてしまうので15,000シル(800円)ママに渡した。

私は寒かったので、そのまま家に戻って毛布に包まっていたら程なくしてママがやってきた。

 

「タタありがとう、おかげでセーター買えたよ。」

「良かったね、これで寒く無いね。」

「それでね、あのニワトリ、タタが買った事にしたから。タタのニワトリだよ。」

どうやら、私がママからニワトリを買って、その代金でセーターを買ったという事らしい。

これで私のニワトリは2羽になった。

 

もう1羽はマグダレナ(妹⑤)が

「家族でタタだけニワトリ持ってないの!1羽あげなきゃ!」

とママに交渉してくれたニワトリ。

まだ小さい雛だったが最近中ぐらいの大きさにまで成長した。

 

これで私のニワトリは2羽になった。

「タタはニワトリ2羽、牛4頭持ってる。立派なマサイね!」

とママが嬉しそうに笑っている。

いよいよニワトリ小屋でも建てて養鶏を始めようか。

毎日卵が手に入ったら買わなくて済むし、これはロマと要相談。

私のニワトリ2羽は今日も元気に庭を走り回っている。