マサイ村で何を食べているのか?
昔は牛乳中心の食生活だったのが、近年は他のタンザニア人が食べる食事に変わってきているようだ。
一番食べているのは「ウガリ」
二番が「スパゲッティ」
三番が「お米」
ウガリはとうもろこしの粉をお湯で練った食べ物で、これ自体にはあまり味がない。
これにボガと言われる野菜の煮込みを付けて食べる。
ロマはウガリが大好きだが、私はやはりお米が恋しい。
レストランではウガリかお米を選べるところが多いが、私は一度もウガリを頼んだ事はない。
やはり何十年も食べ慣れたものがいいと思ってしまう。
ウガリにつけるボガは日によって中身が変わるが、トマトベースなのは変わらない。
二番目のスパゲッティ。
これはもう、スパゲッティと呼ぶには忍びない。
まず、スパゲッティをバキバキに折る。
半分とかじゃなくて1/8くらいに折って皿に乗せる。
イタリア人に見せたら卒倒しそうな光景だが、ここではこれが主流だ。
鍋に油を敷いて玉ねぎをカリカリになるまで炒め、そこにトマトをすりおろす、これに水を投入して沸騰したらバキバキのスパゲッティを入れる。味付けは塩のみ。
そのまま煮て、水分が無くなったら牛乳を少し足して調理完了。
煮ている間はほぼ何もしないので、出来上がったスパゲッティは塊になっていることが多い。
何が問題か?水が多すぎる事、煮すぎてべちょべちょになっている事と味がほとんどしない事だ。
単刀直入に言うと、我々が思うスパゲッティとはかけ離れた食べ物が出てくる。
これをスプーンですくって食べる。
これ、美味しいんか…?と思って食べていたが、ロマが私が作ったスパゲッティを食べて「美味しい!これ作り方家族に教えてよ」と言われたので、美味しいとは思っていなかった様子。
三番目、お米。
日本のお米に比べると水分量は少なめ。
お米を研ぐところは一緒だが、まず水は沸騰させる。
沸騰させたところに塩と油を入れてから生米を投入。
そして、何よりも違うのが調理中に何度も蓋を開けて混ぜる。
その行為はスパゲッティの時にして欲しい!と心の中で思いながら、作ってもらってるんだから文句は言うまいと座って見ている。
最後は蓋の上に炭を置いて蒸らす、出来上がりはちょっと水分の少ないご飯といったところ。
この中では断トツにご飯が美味しい。
自分で作れば良いんだけど、色んな制約があるので難しい。
まずキッチンは母屋にあり、調理器具は全てそこにある。
食料は一緒にマーケットで買っているが、何がどれだけあるからコレとコレ使おう、など予定もあるだろうから急に「今日は私が作ります!」なんて言うと迷惑じゃないか?そもそもそれを伝えられるだけの語彙力はない。
そして通訳のロマはいつも不在だ。
ランゲージバリアと同時に、料理が好きではないので結局妹に任せてしまう。
作ってもらってるけど、食が進まず「もっと食べて」と言われる毎日は結構つらい。
フィジーやオーストラリアに住んでいた時は何とも思わなかったのに、今回は何が違うのだろう。
期限のない事、いつまで続くかわからない事に対する不安の現れなのか?
それとも、選択肢がないことが嫌なのか?
どっちもありそうだ。
とりあえず、料理に参加して少しずつ変えていくしかない。
家族の味覚と私の味覚のちょうど良い塩梅を、少しずつ探索していこう。

スパゲッティ、これの3倍盛ってくれますが食べられません。