メイタタのしもべ日記

タンザニアのマサイ村に嫁いだ日本人の日常

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お宅訪問、隣のマサイ村

マサイ村に帰ってきた私とロマ。

ずっと前から招待されていたお家があるので、今日はそこに向かって出発。

 


結婚して以来、まだ会えていない親戚が山程いるのでロマは各方面から文句を言われている。

「一体いつになったらうちの娘(タタ)に会えるんだ!」

ロマのバブ(おじいちゃん)には4人の妻が居て、妻①④はうちの村に住んでいるが妻②③は違う村に住んでいる。

そして、子どもの数は30人を超えており、その子ども達も結婚して子どもがいるので親戚の人数が膨大で誰が誰だか未だに分からない。

父方の親戚だけでそうなのだから、母方の親戚も併せると…

ロマに「会ったことあるやん!」

と言われ結婚式の写真を見返すと確かに居た。

少しずつお家訪問して覚えていくしかない。

 


そんなわけで、ずっと招待してもらっていたロマのお父さんのお兄さんが住む村へ、バイクに揺られて小一時間。

赤土の道をポレポレと走っていくと、集落が見えてきた。

スペン(伯父さん)が庭で妻2人と子ども達と待ってくれていた。

その後ろには、朝村を出る時に居たはずのバブが椅子に座っている。

一本道だから分かるはずなのに、いつの間に抜かれたのか…?

あんなにバイクの運転手に安全運転を強要するバブにいつ追い越されたのか、今日一番の謎だ。

 


「スペン、スパイ(こんにちは)」

「アパ、カリブニュンバニ(こんにちは、ようこそ我が家へ!)」

スペンと挨拶し終わって、バブとも挨拶を交わす。

ママ2人が待ってましたと、挨拶し終わるやいなや家の中に招待された。

マサイは男女別々に過ごすのが慣習なので、お宅訪問した時も私はママ達と、ロマは伯父さんやバブと一緒に過ごす。

 


ママ2人はウキウキとチャイの準備をしてくれている。

第一夫人がマンダジ(揚げパン)を取ってきてくれて、第二夫人がチャイを入れてくれた。

その様子を子ども達が隠れながら見ている。

初めて見るムズング(外国人)なのだろう、ちょっと遠巻きに、でも興味はあるから見てみたい感じは伝わる。

初めてマサイ村に来た時は、ケニー(ロマの異母弟)は私の姿を見るだけでワンワン泣いてママの後ろに隠れていたので、それに比べるとマイルドな反応だ。

 


「オウエネ(こっちおいで)」

5歳くらいの男の子が私の隣に来てくれた。

ママ2人とチャイを飲みながらマンダジをいただく。

「チャイ熱くない?」

そう言ってもう一つカップを用意してチャイを移す。何度か繰り返してチャイを冷ます。

家にいる時もママが同じことをしてくれる。

「マンダジもっと食べて食べて!」

甘いチャイを飲みながらマンダジを頬張る。

どうやら私たちが来るので、準備してくれていたらしい。

分かる範囲のマサイ語とスワヒリ語を駆使して、お喋りを楽しむ。

 


マサイの第一夫人、第二夫人は単に結婚した順番によってそう呼ばれているだけでそこに順列はない。

日本の本妻と愛人みたいな立場ではなく、みんな平等である。

第一夫人にヤギをあげたら、第二夫人にもヤギをあげる、そういう平等。

スペンの妻2人はとても仲が良くて、何をするにも一緒に過ごしている。

そして2人は今日初めて会った私にとても優しく接してくれる、私もファミリーの一員なんだなぁとしみじみ思った。

 


男性が先に昼ごはんを食べて、その後ママと私と子ども達が一緒にご飯を囲む。

ガリとピラウ(炊き込みご飯)、チャイを用意してくれて、ピラウはコクがあってとても美味しかった。

後からロマが「ピラウに使ってる油、植物性のやつじゃなくて牛乳から取れたやつだよ。」と教えてくれた。

ママ2人は終始楽しそうに私に話しかけてくれる、ほとんどジェスチャーだったが楽しい食事の時間はあっという間に過ぎていった。

 


外に出るとロマが待っていた。

しばらくママ達とロマが喋っている間、私は子ども達とスマホの写真を見て楽しんでいた。

めったに村を出ることのない子ども達にとって、私のカメラロールに収められた他のマサイ村の写真が親戚の近況報告なのだ。

最初は写真を見ていたが、カメラに気がついて写真を撮りたい様子。

カメラ画面にしてスマホを渡すと、写真を撮ったりムービーを撮ったりして喜んで遊んでいる。

後でカメラロールを見ると、とっても楽しそうな子ども達の写真がたくさんあった。

子ども達同士でしか見られないような自然な姿が写っていて、帰ってからママや妹達に見せるとみんな大喜び。

「ルカこんな大きくなったの?!赤ちゃんだったのに!」

「ナマヤニ元気そうで良かったわ〜。」

双方に喜んでもらえて良かった。

 


「帰っちゃうの?泊まっていったら良いのに。」

また今度泊まりの用意して来るから、今日は帰りますと言うと第一夫人が自分の首からネックレスを一つ外して私の首に掛けてくれた。

白を基調としたビーズのネックレスを揺らしながら、バイクで帰っている途中ロマが言った。

「ママ達とっても喜んでて、またおいでって。タタの事、『マサイの文化にとてもリスペクトがあって素敵だわ〜!』って褒めてたよ。大体のムズング(外国人)妻は夫と一緒が良いから、夫と喋って夫とご飯食べる人が多いけど、タタはそうじゃないから嬉しかったんやろね。」

なるほど、マサイママ達は外国人妻が夫とべったりになるのを寂しく思っていたのか。

もっとマサイの言葉が分かったらいいな〜!そしたらもっともっと楽しいのに。

 


マサイ村訪問は無事に終わった。

まだまだ訪問予定のマサイ村がたくさんあるので、少しずつマサイ語を覚えて、少しずつ親戚の顔を覚えていこう。

これでバブと第一夫人の子ども、男性5人は全員覚えた。残る女性5人、まだまだ先は長い。

 

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