ダルエスサラームから隣町に帰ってきて一泊。
翌日に最後の貯水タンクを買いに、いつもの店に寄った。
これまでに、私の家、ママの家、ババ(お義父さん)の家、バブ(おじいちゃん)の家、ビビ(おばあちゃんの家)の家、合計5つのタンクを購入した。
そして今日、叔父さんの家のタンクを購入。
ついにマサイ村全部のお家に貯水タンクを設置できる運びとなった。
2月のちっとも雨が降らない時期に毎日空を見上げては、雨降らないかなぁ…とため息混じりに太陽を眺めていたあの日。
「いつ降るか分からない雨を待つより、乾季の今に出来ることをしよう!」
そう思って始めたクラウドファンディング。
多くの人の支援を受けて、3月末にはプロジェクトが達成でき、ババ、バブ、ビビのタンクを購入することが出来た。
タンクが軽トラに積まれて、ゆっくりとマサイ村に入ってくる。
子どもたちがキャッキャ言いながら駆け寄ってきて、軽トラを囲んでいる。
ロマとパッティマヨとコイカイも来て、手慣れた手つきで荷台からタンクを家の側に下ろす。
マママヌ(叔父さんの妻)とビビが来て
「タタ、ありがとう。これで全家庭綺麗なお水が使えるよ!」
とハグしてくれた。
黒い雲が低く垂れ込めた空からポツポツと雨が降ってきた。
マママヌの家は大きいので、タンクの設置工事が済めばすぐに雨水が貯まるだろう。
5月はまだ雨季、乾季に入るまでにたくさんの雨が降ってタンクがいっぱいになりますように。
ついに最初の目標だった、マサイ村全家庭に貯水タンクを配置することが出来てホッとしている。(マママヌの家はこれから工事だけど)
バブは相当嬉しかったようで、私に会うたびにお礼を言ってくれる。
日本の皆さんが支援してくれたおかげで、綺麗な水を手に入れる第一歩を踏み出すことが出来た。
次に目指すは井戸掘り。
乾季の時でも、地下水を手に入れられるようマサイ村に井戸を掘る。
2ヶ月前は「いつか井戸が掘れたらいいな」だったのが今は「どの業者に頼もうか?」「いつから工事に入ってもらうか?」と具体的な内容になった。
他の村で井戸を掘ったことのある人に話を聞く機会があったが、工事が始まってから
「工具が足りない(忘れた)」
「思ってた深さで水が出なかったから掘削機取りにダルエスサラームに戻りたい」
「その分の交通費よろしく!」
って言われて大変だったとため息混じりに話してくれた。
ああ、工事の規模が大きくなっても基本姿勢は変わらんのだな。
うちに来た大工さんも手ぶらできて「金槌とノコギリ貸して、持ってるやろ?」と言われてロマが激怒していたっけ。
仕事道具を持って来ないとは呆れるを通り越して、凄ささえ感じてしまう。
きっと一筋縄ではいかないんだろうけど、そこはロマや家族に交渉頑張ってもらおう。
まだ始まったばかり、楽しみながらやっていこう。